━━☆━━━━━━━━━━━━ 改正
労働者派遣法への準備と対処 ━━━━━━━━━━━━━
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏ C O N T E N T S┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏
┏┏┏
┏┏ ◇
労働契約のみなし申込み
┏┏ ◇ 申し込みの撤回は
┏┏ ◇ 想定されるトラブル
┏┏ ◇
派遣元・
派遣先の責務
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労働契約のみなし申込み
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平成24年
労働者派遣法改正の概要については、下記サイトを見ていただくとして、
http://saitama-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/saitama-roudoukyoku/topics/2012/tp20120829-01.pdf
日雇派遣の原則禁止、グループ企業派遣、マージン率等の情報提供…、色々あります。
労働契約申込みみなし制度は平成27年10月1日施行予定、3年後になります。
ところで今回の改正でいちばん影響が大きいと思われるのが「
労働契約のみなし申込み」ではな
いでしょうか。これは、‘
派遣先の会社が違法派遣であること知りながら、派遣
労働者を受け入れ
ている場合’には自動的に
派遣先の会社が派遣
労働者に対し、
労働契約の申込みを行ったことにな
るというもの。違法派遣をなくす手段です。
そもそも派遣
労働者は、
派遣元の会社と
労働契約を締結して、
派遣先の会社が指揮命令を行いま
す。
派遣先とは
派遣契約はあっても、
労働契約は無いという
労務提供関係です。しかし例えば、派
遣の制限期間のない
専門26業務として5年派遣されている
労働者が、実は当初から
専門26業務では
なかったとすると、派遣制限期間を超えていますから違法派遣です。専門業務以外の業務をさせて
いるかどうかは
派遣先が一番分かっていることですから、このような場合が上述の
派遣先の会社が
違法派遣であること知りながら、派遣
労働者を受け入れている場合、に該当するわけです。
では違法派遣だと知らずに、更には知らなかったことに過失がなかったという場合にはどうなる
のでしょうか。
派遣先が行った行為が次のいずれかの行為に該当することを知らず、かつ、知らな
かったことにつき過失がなかったときはこの限りではないとされています。
イ)禁止業務への派遣受け入れ
ロ)無許可・無届の
派遣元からの派遣受け入れ
ハ)期間制限を超えての派遣受け入れ
二)いわゆる
偽装請負
よって、
労働契約申込みみなし制度は適用されません。しかし指揮命令をして実際に業務につか
せているからには、知らなかった、とは認められないと判断されるケースが多々出てくるでしょう。
派遣先が善意・無過失を証明することは不可能に近いのでは。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
申し込みの撤回は
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
派遣先は1年間は申込みを撤回できません。つまり違法派遣が既に終了していても、1年を経過す
るまでは、
労働契約を締結しなければなりません。ただし
労働者が1年間の間に、申し込みを承諾し
なかった、または承諾しない旨の
意思表示をしたとき、は効力が失われます。
なお、申し込んだものとみなされる
雇用契約の内容は、従来
派遣元と派遣社員が結んでいた
雇用
契約と同じ内容であるとされています。
また、対象となった派遣
労働者との
労働契約を拒む
派遣先企業に対しては、厚生労働大臣は助言、
指導、勧告ができるとし、従わない場合は企業名を公表するとしています。
さらに、法違反の増加への対応として以下のケースを、
労働者派遣事業の許可等に関する欠格事
由に追加しました。
① 許可を取り消された
法人等の
役員であった者で、取消しの日から5年を経過しないもの
② 許可取消等の手続が開始された後に事業廃止の届出をした者で、届出の日から5年を経過し
ないもの等
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想定されるトラブル
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
業績不振により人員削減を行なうことになったX社。
派遣元との派遣
契約期間満了を機に派遣社
員Bさんにはやめてもらおうということになりました。
Bさんは年齢的に次の
派遣先がなかなか見つかりそうもないこともあり、辞めることに同意しませ
んでした。
派遣契約終了直後にYユニオンからX社に
団体交渉申し入れの文書が届きました。
「貴社の派遣社員B氏は、貴社の平成○年○月○日時点の
雇用契約みなし申込みに対し、本日付で
承諾の
意思表示を行います」というものでした。
X社は違法派遣を行っていたからみなし申し込み義務が発生していたという論拠です。
なにが違法だったかというと、
・Bさんの業務は専門26業務の「事務機器の操作の業務」にはあたるが、専門26業務以外のい
わゆる庶務業務(電話応対、お茶出し)が占める割合が多かった
・そのため、Bさんはいわゆる
自由化業務を行ったことになり、少なくとも3年以上の派遣を行な
うことは違法となる
ゆえに、
派遣元との
雇用契約が期間の定めのある
雇用契約であれば、その
雇用契約内容が
派遣先で
あるX社とBさんとの間の
契約内容となる。
仮に
派遣元との
雇用契約の内容が期間の定めのある
雇用契約であったとしても、
雇用継続期待に合
理性のある場合は
解雇権濫用法理が類推適用され、容易に雇い止めができない。
さて、このケースから学ぶべきことは何でしょう。
少なくとも、以下の点は注意するべきです。
専門26業務の範囲はきわめて狭いため受け入れるのであれば、業務内容は厳しく限定する、こ
と。厚労省のHPや
通達集、質疑応答などでチェックしておく必要はあるでしょう。
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派遣元・
派遣先の責務
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整理すると、以下のようになります。
【
派遣元事業主】
○グループ企業派遣(法23③・23の2)→8割規制、実績報告
○マージン率等の情報提供(法23⑤)
○有期
雇用派遣
労働者等の無期
雇用への転換推進措置(法30)
○均衡待遇の確保(法30の2)
○待遇に関する事項等の説明(法31の2)
○派遣料金額の明示(法34の2)
○
派遣先への通知事項に派遣
労働者が無期
雇用労働者であるか否かを追加(法35①Ⅱ)
○日雇派遣の原則禁止(法35の3)
○離職後1年以内の
労働者派遣の禁止(法35の4)
【
派遣先事業主】
○
派遣先の都合による
労働者派遣契約解除時に講ずべき措置(法29の2) →新たな就業機会の確
保、
休業手当等の
費用負担等
○均衡待遇の確保に向けた
派遣元事業主への協力(法40③)
○離職後1年以内の
労働者派遣の受入禁止、該当する場合の
派遣元への通知(法40の6)
○
労働契約申込みみなし制度【平成27年10月1日施行】
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┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
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http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
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┏┏ ◇ 申し込みの撤回は
┏┏ ◇ 想定されるトラブル
┏┏ ◇ 派遣元・派遣先の責務
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労働契約のみなし申込み
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平成24年労働者派遣法改正の概要については、下記サイトを見ていただくとして、
http://saitama-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/saitama-roudoukyoku/topics/2012/tp20120829-01.pdf
日雇派遣の原則禁止、グループ企業派遣、マージン率等の情報提供…、色々あります。
労働契約申込みみなし制度は平成27年10月1日施行予定、3年後になります。
ところで今回の改正でいちばん影響が大きいと思われるのが「労働契約のみなし申込み」ではな
いでしょうか。これは、‘派遣先の会社が違法派遣であること知りながら、派遣労働者を受け入れ
ている場合’には自動的に派遣先の会社が派遣労働者に対し、労働契約の申込みを行ったことにな
るというもの。違法派遣をなくす手段です。
そもそも派遣労働者は、派遣元の会社と労働契約を締結して、派遣先の会社が指揮命令を行いま
す。派遣先とは派遣契約はあっても、労働契約は無いという労務提供関係です。しかし例えば、派
遣の制限期間のない専門26業務として5年派遣されている労働者が、実は当初から専門26業務では
なかったとすると、派遣制限期間を超えていますから違法派遣です。専門業務以外の業務をさせて
いるかどうかは派遣先が一番分かっていることですから、このような場合が上述の派遣先の会社が
違法派遣であること知りながら、派遣労働者を受け入れている場合、に該当するわけです。
では違法派遣だと知らずに、更には知らなかったことに過失がなかったという場合にはどうなる
のでしょうか。派遣先が行った行為が次のいずれかの行為に該当することを知らず、かつ、知らな
かったことにつき過失がなかったときはこの限りではないとされています。
イ)禁止業務への派遣受け入れ
ロ)無許可・無届の派遣元からの派遣受け入れ
ハ)期間制限を超えての派遣受け入れ
二)いわゆる偽装請負
よって、労働契約申込みみなし制度は適用されません。しかし指揮命令をして実際に業務につか
せているからには、知らなかった、とは認められないと判断されるケースが多々出てくるでしょう。
派遣先が善意・無過失を証明することは不可能に近いのでは。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
申し込みの撤回は
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
派遣先は1年間は申込みを撤回できません。つまり違法派遣が既に終了していても、1年を経過す
るまでは、労働契約を締結しなければなりません。ただし労働者が1年間の間に、申し込みを承諾し
なかった、または承諾しない旨の意思表示をしたとき、は効力が失われます。
なお、申し込んだものとみなされる雇用契約の内容は、従来派遣元と派遣社員が結んでいた雇用
契約と同じ内容であるとされています。
また、対象となった派遣労働者との労働契約を拒む派遣先企業に対しては、厚生労働大臣は助言、
指導、勧告ができるとし、従わない場合は企業名を公表するとしています。
さらに、法違反の増加への対応として以下のケースを、労働者派遣事業の許可等に関する欠格事
由に追加しました。
① 許可を取り消された法人等の役員であった者で、取消しの日から5年を経過しないもの
② 許可取消等の手続が開始された後に事業廃止の届出をした者で、届出の日から5年を経過し
ないもの等
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
想定されるトラブル
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
業績不振により人員削減を行なうことになったX社。派遣元との派遣契約期間満了を機に派遣社
員Bさんにはやめてもらおうということになりました。
Bさんは年齢的に次の派遣先がなかなか見つかりそうもないこともあり、辞めることに同意しませ
んでした。
派遣契約終了直後にYユニオンからX社に団体交渉申し入れの文書が届きました。
「貴社の派遣社員B氏は、貴社の平成○年○月○日時点の雇用契約みなし申込みに対し、本日付で
承諾の意思表示を行います」というものでした。
X社は違法派遣を行っていたからみなし申し込み義務が発生していたという論拠です。
なにが違法だったかというと、
・Bさんの業務は専門26業務の「事務機器の操作の業務」にはあたるが、専門26業務以外のい
わゆる庶務業務(電話応対、お茶出し)が占める割合が多かった
・そのため、Bさんはいわゆる自由化業務を行ったことになり、少なくとも3年以上の派遣を行な
うことは違法となる
ゆえに、派遣元との雇用契約が期間の定めのある雇用契約であれば、その雇用契約内容が派遣先で
あるX社とBさんとの間の契約内容となる。
仮に派遣元との雇用契約の内容が期間の定めのある雇用契約であったとしても、雇用継続期待に合
理性のある場合は解雇権濫用法理が類推適用され、容易に雇い止めができない。
さて、このケースから学ぶべきことは何でしょう。
少なくとも、以下の点は注意するべきです。
専門26業務の範囲はきわめて狭いため受け入れるのであれば、業務内容は厳しく限定する、こ
と。厚労省のHPや通達集、質疑応答などでチェックしておく必要はあるでしょう。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
派遣元・派遣先の責務
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
整理すると、以下のようになります。
【派遣元事業主】
○グループ企業派遣(法23③・23の2)→8割規制、実績報告
○マージン率等の情報提供(法23⑤)
○有期雇用派遣労働者等の無期雇用への転換推進措置(法30)
○均衡待遇の確保(法30の2)
○待遇に関する事項等の説明(法31の2)
○派遣料金額の明示(法34の2)
○派遣先への通知事項に派遣労働者が無期雇用労働者であるか否かを追加(法35①Ⅱ)
○日雇派遣の原則禁止(法35の3)
○離職後1年以内の労働者派遣の禁止(法35の4)
【派遣先事業主】
○派遣先の都合による労働者派遣契約解除時に講ずべき措置(法29の2) →新たな就業機会の確
保、休業手当等の費用負担等
○均衡待遇の確保に向けた派遣元事業主への協力(法40③)
○離職後1年以内の労働者派遣の受入禁止、該当する場合の派遣元への通知(法40の6)
○労働契約申込みみなし制度【平成27年10月1日施行】
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