元気な団塊の世代が、会社を
定年退職し始めていますが、それ以来日本全国に、ちょっとはた迷惑な
「困ったおじさんたち」が増えて来ているそうです。
勿論、この世代は「企業戦士」としてガムシャラに働き、日本の高度成長期を引っ張って来た世代ですから、
ひ弱な今の若者に比べれば、エネルギッシュで、自信満々で、我の強さを併せ持っています。
そして、年金や
退職金には恵まれ、経済的にも余裕があって、心身ともにまだまだ元気一杯な世代です。
ふところが暖かくて元気一杯なだけに、枯れる気など毛頭なく、まだまだ現役時代の輝かしい残照に
浸っていたくて、周りからどうしたら自分の凄さに感心して貰えるかに頭を悩ませている世代でもあります。
つまり、「自分の存在を誇示したがるおじさんたち、… 」って言うか、
「人にかまってほしいおじさんたち」って言うか、
要するに、「はた迷惑なおじさん」と周りから見られてしまう人たちなのです。
実は、私もこんなおじさんに出会ったことがあります(私も十分にこうゆう人には負けない立派な
おじさんなのですが・・・)。
もう昨年のことですけど、近所のご綺麗なケーキ屋に行ったときのことです。
“店長を呼びなさい!”と、店のなかで怒鳴っているおじさんがいました。
定年退職したばかりという感じの、品のいいおじさんでした。
いかにも、普段は温厚そう … という顔つきの人で、まったくケンカ好きっていう様子には
見えませんでした。
そういう人が、まなじりを吊り上げて、ガラスケース越しに、店の女の子を叱っていたのです。
いったい何が起こったのか分からないのだけれど、とにかくおじさんの怒ること、怒ること。
お釣りを間違えたか、注文されたケーキを間違えたかの些細なことだったようなのですが、
もう半べそになっている女の子をそのおじさんはしつこく怒り続けていました。
他の店員もオロオロしてしまって、皆で必死に頭を下げて謝っているのですが、どうやら、
そういう光景を見るのがそのおじさんの趣味だったらしく、小言はとどまるところを知りませんでした。
あんまりしつこく長いので、私はそのおじさんの間を掻き分けてケーキの注文を出しました。
それに救われたように、その店員が応対をし出しましたが、おじさんはそんな様子を睨み付け、
後に引こうとしません。
どうするのかと思ったとき、ガラスケースの向こうから、少し年増の女の店員が出てきて、平謝りに謝りながら、
小さな袋を渡したのでした。多分その中にはお菓子でも入っていたんでしょう。
そのおじさんはさも当然という顔で、袋をしっかり受け取りながら、“気をつけなさい”と捨て台詞を
吐きながら踏ん反り返って、帰って行きました。
なんだか、いつの間にか、こんな感じのおじさんが増えて来たようです。
「
定年退職して以来、かまって貰える人間が周りから消えた。」
「会社を辞めしまうと、自分の地位も業績も認めて貰えない。」
「家に帰ると、女房は機嫌が悪い。」・・・・・・・
唯一、人と繋がっていると思えるときが、人に文句を言うときだけだったとしたら、
実に悲しいものです。よく聞く話ですけど、大きな会社や役所で、お茶くみでもコピー取りでも、
部下になんでもやって貰っていた人ほど、周りに世話をしてくれる人がなくなると、寂しさを
感じることが多いのだそうです。
そして、そういう人ほど「最近の若い奴は・・・・」 風な愚痴をこぼすのだそうです。そこには、
「自分の偉さが分かって貰えない」的な寂しさがあるのかもしれません。
その点、私なんかは出世には、トンとご縁も無く、部下に世話されることもなく、自力更生で
現役時代を過ごして来ましたので、会社を
退職した後も寂しさややるせなさを感じたことは
一度もありません(でも、最近、「店の人などの一寸したことにも怒りっぽくなった」と、
よく妻に注意されるようになりましたが・・・・・)。
前回の「「飲酒運転による
退職金不支給」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「「割増率50%以上」の適用拡大」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「「割増率50%以上」の適用拡大」
───────────────────────────────
厚生労働省の調査で、月
60時間超の法定
時間外労働に対し、
割増賃金率を「25%超」
としている中小企業は1割強と少なく、さらにこの内「50%超」としていた割合は
1割に満たなかったことが明らかになりました。
大企業については、平成22年の
労働基準法改正により、月
60時間超の
時間外労働に
対する割増率を50%以上にしなければならなくなりましたが、中小企業については、
現在この規定の適用が猶予されています。
厚生労働省では、今回の調査結果を踏まえて中小企業への適用拡大について検討を
進める考えです。
○「
三六協定」のチェックポイント
時間外労働・
休日労働に関する協定(
三六協定)を
労働基準監督署に届け出ると、
延長時間数の範囲内(1ヶ月
45時間等)であれば、会社は1日8時間、
週40時間を
超えて
時間外労働を命じることができます。
なお、
三六協定とは別に、
就業規則や個別の
雇用契約書等に
時間外労働・
休日労働の
根拠規定を置いておくことは必要です。
この
三六協定に関する代表的なチェックポイントは、次の通りです。
・一定の規模があり、
労務管理上、独立性があるような支社等は、個別に
三六協定が必要である。
・
管理監督者、
病欠、
休職中の社員などの在籍するすべての
労働者(
事業場の代表者を除く)が、
「
労働者の過半数を代表する者」の選出に関する母数に含まれる。
・
労働者の過半数代表として
労働組合を締結主体とする場合、
事業場ごとに、過半数以上を
組織しているか(非正規
労働者を当該
労働組合が組織化していない場合は特に注意)。
・
従業員過半数代表は、
事業場ごとの投票、挙手、
持ち回り決議など民主的な方法で選出する。
・
特別条項が活用できるのは、1年間あたり6回以内。
・
特別条項の「具体的事由」は具体的に明記する。
三六協定の締結・届出は、毎年の業務でもあり、流れで行ってしまいがちですが、慎重に
確認しながら進めないと、行政指導を受けたり、万が一、社員が過労により死傷したような
場合には労災認定されて会社の義務違反が問われたりすることに繋がりかねません。
上記に挙げたもの以外にもチェックすべきポイントはありますので、今一度、確認が必要です。
ご質問等がある場合は、弊事務所にご照会下さい。
ご質問いただいた内容については、メールマガジンを通してご回答させて頂きます。
ご質問・ご意見は
info@node-office.comからどうぞ。
当事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
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より、全国書店、ネット書店で販売中です。
元気な団塊の世代が、会社を定年退職し始めていますが、それ以来日本全国に、ちょっとはた迷惑な
「困ったおじさんたち」が増えて来ているそうです。
勿論、この世代は「企業戦士」としてガムシャラに働き、日本の高度成長期を引っ張って来た世代ですから、
ひ弱な今の若者に比べれば、エネルギッシュで、自信満々で、我の強さを併せ持っています。
そして、年金や退職金には恵まれ、経済的にも余裕があって、心身ともにまだまだ元気一杯な世代です。
ふところが暖かくて元気一杯なだけに、枯れる気など毛頭なく、まだまだ現役時代の輝かしい残照に
浸っていたくて、周りからどうしたら自分の凄さに感心して貰えるかに頭を悩ませている世代でもあります。
つまり、「自分の存在を誇示したがるおじさんたち、… 」って言うか、
「人にかまってほしいおじさんたち」って言うか、
要するに、「はた迷惑なおじさん」と周りから見られてしまう人たちなのです。
実は、私もこんなおじさんに出会ったことがあります(私も十分にこうゆう人には負けない立派な
おじさんなのですが・・・)。
もう昨年のことですけど、近所のご綺麗なケーキ屋に行ったときのことです。
“店長を呼びなさい!”と、店のなかで怒鳴っているおじさんがいました。
定年退職したばかりという感じの、品のいいおじさんでした。
いかにも、普段は温厚そう … という顔つきの人で、まったくケンカ好きっていう様子には
見えませんでした。
そういう人が、まなじりを吊り上げて、ガラスケース越しに、店の女の子を叱っていたのです。
いったい何が起こったのか分からないのだけれど、とにかくおじさんの怒ること、怒ること。
お釣りを間違えたか、注文されたケーキを間違えたかの些細なことだったようなのですが、
もう半べそになっている女の子をそのおじさんはしつこく怒り続けていました。
他の店員もオロオロしてしまって、皆で必死に頭を下げて謝っているのですが、どうやら、
そういう光景を見るのがそのおじさんの趣味だったらしく、小言はとどまるところを知りませんでした。
あんまりしつこく長いので、私はそのおじさんの間を掻き分けてケーキの注文を出しました。
それに救われたように、その店員が応対をし出しましたが、おじさんはそんな様子を睨み付け、
後に引こうとしません。
どうするのかと思ったとき、ガラスケースの向こうから、少し年増の女の店員が出てきて、平謝りに謝りながら、
小さな袋を渡したのでした。多分その中にはお菓子でも入っていたんでしょう。
そのおじさんはさも当然という顔で、袋をしっかり受け取りながら、“気をつけなさい”と捨て台詞を
吐きながら踏ん反り返って、帰って行きました。
なんだか、いつの間にか、こんな感じのおじさんが増えて来たようです。
「定年退職して以来、かまって貰える人間が周りから消えた。」
「会社を辞めしまうと、自分の地位も業績も認めて貰えない。」
「家に帰ると、女房は機嫌が悪い。」・・・・・・・
唯一、人と繋がっていると思えるときが、人に文句を言うときだけだったとしたら、
実に悲しいものです。よく聞く話ですけど、大きな会社や役所で、お茶くみでもコピー取りでも、
部下になんでもやって貰っていた人ほど、周りに世話をしてくれる人がなくなると、寂しさを
感じることが多いのだそうです。
そして、そういう人ほど「最近の若い奴は・・・・」 風な愚痴をこぼすのだそうです。そこには、
「自分の偉さが分かって貰えない」的な寂しさがあるのかもしれません。
その点、私なんかは出世には、トンとご縁も無く、部下に世話されることもなく、自力更生で
現役時代を過ごして来ましたので、会社を退職した後も寂しさややるせなさを感じたことは
一度もありません(でも、最近、「店の人などの一寸したことにも怒りっぽくなった」と、
よく妻に注意されるようになりましたが・・・・・)。
前回の「「飲酒運転による退職金不支給」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「「割増率50%以上」の適用拡大」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「「割増率50%以上」の適用拡大」
───────────────────────────────
厚生労働省の調査で、月60時間超の法定時間外労働に対し、割増賃金率を「25%超」
としている中小企業は1割強と少なく、さらにこの内「50%超」としていた割合は
1割に満たなかったことが明らかになりました。
大企業については、平成22年の労働基準法改正により、月60時間超の時間外労働に
対する割増率を50%以上にしなければならなくなりましたが、中小企業については、
現在この規定の適用が猶予されています。
厚生労働省では、今回の調査結果を踏まえて中小企業への適用拡大について検討を
進める考えです。
○「三六協定」のチェックポイント
時間外労働・休日労働に関する協定(三六協定)を労働基準監督署に届け出ると、
延長時間数の範囲内(1ヶ月45時間等)であれば、会社は1日8時間、週40時間を
超えて時間外労働を命じることができます。
なお、三六協定とは別に、就業規則や個別の雇用契約書等に時間外労働・休日労働の
根拠規定を置いておくことは必要です。
この三六協定に関する代表的なチェックポイントは、次の通りです。
・一定の規模があり、労務管理上、独立性があるような支社等は、個別に三六協定が必要である。
・管理監督者、病欠、休職中の社員などの在籍するすべての労働者(事業場の代表者を除く)が、
「労働者の過半数を代表する者」の選出に関する母数に含まれる。
・労働者の過半数代表として労働組合を締結主体とする場合、事業場ごとに、過半数以上を
組織しているか(非正規労働者を当該労働組合が組織化していない場合は特に注意)。
・従業員過半数代表は、事業場ごとの投票、挙手、持ち回り決議など民主的な方法で選出する。
・特別条項が活用できるのは、1年間あたり6回以内。
・特別条項の「具体的事由」は具体的に明記する。
三六協定の締結・届出は、毎年の業務でもあり、流れで行ってしまいがちですが、慎重に
確認しながら進めないと、行政指導を受けたり、万が一、社員が過労により死傷したような
場合には労災認定されて会社の義務違反が問われたりすることに繋がりかねません。
上記に挙げたもの以外にもチェックすべきポイントはありますので、今一度、確認が必要です。
ご質問等がある場合は、弊事務所にご照会下さい。
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