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経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第32回
時間単位年休を取得した日の
時間外労働はどうなるの?(その1)
<第41号> 平成22年12月13日(月)
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こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
さて今回は、平成22年4月1日付で
労働基準法
(以下「労基法」と略す。)が大幅に改正されましたが、
労基法第39条第4項で「時間を単位とする
年次有給休暇」
(以下「
時間単位年休」という。)制度が創設されました。
この制度は、本来「1日単位」の付与が原則とされている
年次有給休暇について、「時間単位」で取得できる制度であり、
事業場で書面による
労使協定を締結することで
導入することができます。(詳細は、本メルマガ第29号に
解説しています。)
そこで、
時間単位年休を1時間なり2時間取得した日に
業務の都合上、
所定労働時間終了後も仕事を続けることは
十分考えられることです。
その場合、
時間外勤務はどの時点からで、
割増賃金はいつから発生するかという質問が寄せられました。
今回は、この点について考えてみます。
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◆◆ 労基法で定める
時間外労働とは ◆◆
○ 労基法では
労働時間について、
休憩時間を除いて
1日8時間、1週間40時間を超えて
労働させてはならないと規定しています(第32条)。
これを「
法定労働時間」といい、この時間を超えて
労働させた場合に労基法でいう「
時間外労働」となります。
そして、この
時間外労働が発生すると考えられる場合は、
あらかじめ「
時間外労働に関する
労使協定」(
36協定)を締結し、
所轄
労働基準監督署長に届け出ておく必要があります。
実際に
時間外労働をさせた場合には、2割5分以上の率
(ただし、1か月60時間を超えた時間数分については
5割以上の率、ただし中小企業猶予措置あり)で計算した
割増賃金を支払わなければなりません。
例えば、ある
事業場の
就業規則等で
所定労働時間について
1日7時間(
休憩時間は別に1時間)、1週35時間
(
週休二日制)と定められている場合、
1日について
法定労働時間までの1時間、1週について
40時間までの5時間分については、
労基法でいう
時間外労働とはなりません。
ただし、
就業規則等で
所定労働時間を超えて労働した場合は
時間外労働として
割増賃金を支払う旨の規定があれば
その基準に従うことになります。
付言しておきますが、労基法に定める
労働条件等は
最低の基準を定めたものであるため、
その基準を上回る措置は
労働者にとって有利となるため
有効とされているからです。
◆◆ 割増率2割5分以上についての捉え方 ◆◆
○
法定労働時間を超えて労働した場合の
時間外労働手当は
2割5分以上の
割増賃金を支払うという表現について
たまに、1時間当たりの
基礎賃金×「0.25」×
時間外労働時間数で計算する方がいますが、間違いです。
この場合の乗率は「1.25」となります。
つまり、
時間外労働手当とは、1時間当たりの所定
基礎賃金の
12割5分支払うことを意味しております。
このことは、次の判例でも明らかですので紹介しておきます。
(「藤香田商店事件」昭25.9.8 広島高裁判決)
「
労働基準法第37条の延長時間労働の
割増賃金についても
延長時間における労働の
基礎賃金はもとより
更にこれに2割5分以上を加えた
賃金、すなわち12.5割
以上の
賃金を支払うのでなければ2割5分以上の
賃金を
支払ったとはいい得ない。」と判示しています。
◆◆
半日年休を取得し、午後から出勤した場合の
時間外労働の取扱い ◆◆
○ まず半日単位年休の法的位置付けについて説明します。
労基法第39条第1項には、
労働者の雇入れの日から起算して
6か月間継続勤務し
全労働日の8割以上出勤した場合、
「10労働日」の
有給休暇を与えなければならない旨
定めています。
つまり、
年次有給休暇は労働日との表現の通り
「日」が最低単位とされています。
これに対して、「半日ずつ請求できるのか」との問いに対して
行政上の解釈として、次のように
通達しています。
「法第39条に規定する
年次有給休暇は、1労働日を
単位とするのであるから、
使用者は
労働者に半日単位で付与する義務はない。」
(昭24.7.7 基収第1428号、昭63.3.14
基発第150号)
すなわち、逆説的に
労働者からの請求を前提に、
半日単位の
年休付与を認めているのです。
現在では「半日単位年休」は当然の事とされていますが
その根拠は、この
通達にあります。
我が国における年休取得率が、ここ10年間5割を下回る
状態にあり、
労働者の便宜を考慮し、
年休を取得しやすくする意味では効果があり、
いわば行政上の特例的取扱いと言えるものです。
○ 従って、勤務の前半か後半(通常は午前、午後に区分して
いる例が多いようです。)のいずれかを
労働者の請求に応じて
休ませることが半日単位の
年次有給休暇を
取得したことになります。
そこで、その
半日年休が午前中で午後から勤務した場合、
業務の都合で
所定労働時間後も仕事をすることも
十分考えられることです。
その場合、
所定労働時間終業後に労働した場合、
時間外労働手当(
割増賃金)の支払はどうなるのか、
この点が問題となります。
そして、これが明確になることによって、
時間単位年休を取得した場合も、これに準じて
考えることができます。
(以下、次号に続く。)
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 抗議しに行ったが、「鼻」から相手にされなかった。
■B. 抗議しに行ったが、「端」から相手にされなかった。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─12/13]]~~~~~
●1901年の今日、東洋のルソー、中江兆民没す。
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
http://blog.ho-wiki06.com をクリックし
ブログから該当日をご覧ください。
●1948年の今日、大臣が女性国会議員に悪態。国会キス事件
起こる。
●1959年の今日、『兼高かおる世界の旅』の放送開始。
1990年までの30年10カ月の長寿番組に。
●1991年の今日、N
ECがPCエンジン、SU
PER CD-ROM
を新発売。
●2003年の今日、ソニーがテレビゲーム「PSX」を発売。
●2004年の今日、埼玉県さいたま市内でドン・キホーテ
放火事件発生。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○ハインリヒ・ハイネ(詩人:1797)
○仲代達矢(俳優:1932)
○浅田次郎(作家:1951)
○樋口可南子(女優:1958)
○織田裕二(俳優:1967)
○横峯さくら(プロゴルファー:1985)
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
この文意は、最初から相手にされなかった、との意です。
「端(ハナ)」とは、「岬の端・寝入り端」などのように
物のはしや物事のはじめという意味がありますが、
頭から突き出た部分の「鼻」と同語源とされています。
しかし、現在の日本語では、意味も離れ別語とされ
漢字を使い分けています。
「鼻も引っかけない」(すっかり軽蔑して全く問題にしない)
などの用法から勘違いすることも多いようです。
この場合は「端から」が正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
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★メールマガジン「経営・
労務管理ビジネス用語の
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第32回 時間単位年休を取得した日の
時間外労働はどうなるの?(その1)
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こんにちは!
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1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
さて今回は、平成22年4月1日付で労働基準法
(以下「労基法」と略す。)が大幅に改正されましたが、
労基法第39条第4項で「時間を単位とする年次有給休暇」
(以下「時間単位年休」という。)制度が創設されました。
この制度は、本来「1日単位」の付与が原則とされている
年次有給休暇について、「時間単位」で取得できる制度であり、
事業場で書面による労使協定を締結することで
導入することができます。(詳細は、本メルマガ第29号に
解説しています。)
そこで、時間単位年休を1時間なり2時間取得した日に
業務の都合上、所定労働時間終了後も仕事を続けることは
十分考えられることです。
その場合、時間外勤務はどの時点からで、
割増賃金はいつから発生するかという質問が寄せられました。
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◆◆ 労基法で定める時間外労働とは ◆◆
○ 労基法では労働時間について、休憩時間を除いて
1日8時間、1週間40時間を超えて
労働させてはならないと規定しています(第32条)。
これを「法定労働時間」といい、この時間を超えて
労働させた場合に労基法でいう「時間外労働」となります。
そして、この時間外労働が発生すると考えられる場合は、
あらかじめ「時間外労働に関する労使協定」(36協定)を締結し、
所轄労働基準監督署長に届け出ておく必要があります。
実際に時間外労働をさせた場合には、2割5分以上の率
(ただし、1か月60時間を超えた時間数分については
5割以上の率、ただし中小企業猶予措置あり)で計算した
割増賃金を支払わなければなりません。
例えば、ある事業場の就業規則等で所定労働時間について
1日7時間(休憩時間は別に1時間)、1週35時間
(週休二日制)と定められている場合、
1日について法定労働時間までの1時間、1週について
40時間までの5時間分については、
労基法でいう時間外労働とはなりません。
ただし、就業規則等で所定労働時間を超えて労働した場合は
時間外労働として割増賃金を支払う旨の規定があれば
その基準に従うことになります。
付言しておきますが、労基法に定める労働条件等は
最低の基準を定めたものであるため、
その基準を上回る措置は労働者にとって有利となるため
有効とされているからです。
◆◆ 割増率2割5分以上についての捉え方 ◆◆
○ 法定労働時間を超えて労働した場合の時間外労働手当は
2割5分以上の割増賃金を支払うという表現について
たまに、1時間当たりの基礎賃金×「0.25」×
時間外労働時間数で計算する方がいますが、間違いです。
この場合の乗率は「1.25」となります。
つまり、時間外労働手当とは、1時間当たりの所定基礎賃金の
12割5分支払うことを意味しております。
このことは、次の判例でも明らかですので紹介しておきます。
(「藤香田商店事件」昭25.9.8 広島高裁判決)
「労働基準法第37条の延長時間労働の割増賃金についても
延長時間における労働の基礎賃金はもとより
更にこれに2割5分以上を加えた賃金、すなわち12.5割
以上の賃金を支払うのでなければ2割5分以上の賃金を
支払ったとはいい得ない。」と判示しています。
◆◆ 半日年休を取得し、午後から出勤した場合の
時間外労働の取扱い ◆◆
○ まず半日単位年休の法的位置付けについて説明します。
労基法第39条第1項には、労働者の雇入れの日から起算して
6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合、
「10労働日」の有給休暇を与えなければならない旨
定めています。
つまり、年次有給休暇は労働日との表現の通り
「日」が最低単位とされています。
これに対して、「半日ずつ請求できるのか」との問いに対して
行政上の解釈として、次のように通達しています。
「法第39条に規定する年次有給休暇は、1労働日を
単位とするのであるから、
使用者は労働者に半日単位で付与する義務はない。」
(昭24.7.7 基収第1428号、昭63.3.14 基発第150号)
すなわち、逆説的に労働者からの請求を前提に、
半日単位の年休付与を認めているのです。
現在では「半日単位年休」は当然の事とされていますが
その根拠は、この通達にあります。
我が国における年休取得率が、ここ10年間5割を下回る
状態にあり、労働者の便宜を考慮し、
年休を取得しやすくする意味では効果があり、
いわば行政上の特例的取扱いと言えるものです。
○ 従って、勤務の前半か後半(通常は午前、午後に区分して
いる例が多いようです。)のいずれかを労働者の請求に応じて
休ませることが半日単位の年次有給休暇を
取得したことになります。
そこで、その半日年休が午前中で午後から勤務した場合、
業務の都合で所定労働時間後も仕事をすることも
十分考えられることです。
その場合、所定労働時間終業後に労働した場合、
時間外労働手当(割増賃金)の支払はどうなるのか、
この点が問題となります。
そして、これが明確になることによって、
時間単位年休を取得した場合も、これに準じて
考えることができます。
(以下、次号に続く。)
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よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 抗議しに行ったが、「鼻」から相手にされなかった。
■B. 抗議しに行ったが、「端」から相手にされなかった。
答えは、編集後記で。
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~~~~~[[今日あった昔の歴史─12/13]]~~~~~
●1901年の今日、東洋のルソー、中江兆民没す。
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
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●1948年の今日、大臣が女性国会議員に悪態。国会キス事件
起こる。
●1959年の今日、『兼高かおる世界の旅』の放送開始。
1990年までの30年10カ月の長寿番組に。
●1991年の今日、NECがPCエンジン、SUPER CD-ROM
を新発売。
●2003年の今日、ソニーがテレビゲーム「PSX」を発売。
●2004年の今日、埼玉県さいたま市内でドン・キホーテ
放火事件発生。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○ハインリヒ・ハイネ(詩人:1797)
○仲代達矢(俳優:1932)
○浅田次郎(作家:1951)
○樋口可南子(女優:1958)
○織田裕二(俳優:1967)
○横峯さくら(プロゴルファー:1985)
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
この文意は、最初から相手にされなかった、との意です。
「端(ハナ)」とは、「岬の端・寝入り端」などのように
物のはしや物事のはじめという意味がありますが、
頭から突き出た部分の「鼻」と同語源とされています。
しかし、現在の日本語では、意味も離れ別語とされ
漢字を使い分けています。
「鼻も引っかけない」(すっかり軽蔑して全く問題にしない)
などの用法から勘違いすることも多いようです。
この場合は「端から」が正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
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