2015年3月9日号 (no. 872)
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本日のテーマ【清算期間が3ヶ月に。フレックスタイム制で残業対策ができるかも。】
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■清算期間が1ヶ月から3ヶ月に変わるとどうなるの?
労働基準法を改正する案ができあがり、予定通りに国会を通過すると、平成28年4月1日から施行されるとのこと。
「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」の答申
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000075867.html
ザックリと7つの改正点がありますが、今回はその中の4つ目をピックアップします。
フレックスタイム制の仕組みが変わり、清算期間の上限が1ヶ月から3ヶ月に延長されます。
フレックスタイム制についてはある程度ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、「清算期間」というものが何なのかを知らない方は多いはず。清算期間とは、この時点からこの時点までを対象にフレックスタイム制を適用しますという期間のことです。
例えば、1ヶ月の労働時間の総枠が仮に170時間だった場合、この170時間の枠内で時間を配分できるのがフレックスタイム制の特徴です。1日に8時間まで、1週間ならば40時間まで。これが労働基準法の法定労働時間ですが、フレックスタイム制を適用すると、1ヶ月170時間の枠内で時間配分を変えられます。つまり、この日は5時間勤務、この日は9時間、この日は11時間というように勤務時間に差を付け、1ヶ月170時間の枠内ならば割増賃金が発生しない。
労働基準法には変形労働時間制度という仕組みがありますが、フレックスタイム制の仕組みは時間配分を変更できるという点でそれに似ています。
1ヶ月で170時間の枠があるならば、これを3ヶ月に延長すると、170×3 = 510時間となります。つまり、3ヶ月で510時間の枠内で勤務時間を配分すれば、割増賃金無しでもOKになるわけです。
清算期間が1ヶ月だと、総枠は170時間までですが、3ヶ月に延長すると510時間まで枠が広がります。枠が広がるということは、仕事の内容に合わせて、より柔軟に時間を配分できるようになるということです。
■実質は「3ヶ月単位の変形労働時間制度」に近い。
変形労働時間制度と同様に、フレックスタイム制は時間配分を変えられるのが利点です。
1日8時間を超えれば割増賃金。1週40時間を超えれば割増賃金。労働基準法では、これが基本となるラインですが、上記2つの制度を利用すると、1日9時間、1日13時間という勤務時間になっても、労働時間の総枠を超えない限り割増賃金を発生させない効果を得られます。
ただ、ややテクニカルな仕組みですので、労働基準法の原則しか知らない人には「ん? 何だか怪しい仕組みだなぁ」と思われてしまうかもしれません。
マラソンで例えると、前半は平均的なペースで走り、中盤でペースをやや上げ、終盤で一気にスパートするようなイメージです。マラソンは常に一定のペースで走るスポーツではなく、自分なりにペースや時間配分を決め、より早いタイムでゴールするのが面白いところです。
変形労働時間制度やフレックスタイム制もマラソンと同様に、常に1日8時間、1週40時間の時間配分で仕事をするのではなく、日によっては1日5時間で終わって、他の日に割増賃金無しで1日11時間働くことができます。
清算期間が3ヶ月になれば、3ヶ月分の労働時間の総枠内で時間を配分できるので、3ヶ月単位の変形労働時間制度に似てきますね。
ただし、平均で1週50時間を超える月には、たとえ労働時間の総枠内であっても割増賃金が必要になります。これは、極端に時間配分が偏らないための仕掛けです。
例えば、10月、11月、12月、この3ヶ月間でフレックスタイム制を運用した場合に、10月は100時間、11月も100時間、12月は310時間というように、極端に12月へ勤務時間を集中させると負担が大きくなるので、1週平均で50時間に上限を設定して時間の偏りを防ぐのが狙いです。この点はよく考えられています。
フレックスタイム制を利用すると、始業時間と終業時間を社員本人が決められるので、通勤ラッシュを回避する、痴漢を回避する、変なオジサンに合わないようにする、朝早く出勤する、遅刻したときの保険など、色々と活用法があります。
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。
タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで勤務時間を集計しないといけない。
しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては勤務時間の集計は悩みのタネですよね。
そんな悩みをどうやって解決するか。
そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。
Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
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始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。
Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
や出勤簿で勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
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「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160307HT
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