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社員による物品販売と給与控除

著者 新米カチョー さん

最終更新日:2013年09月16日 08:28

当社は運送会社なのですが、社員は物品販売をしなければなりません。そのノルマは厳しく自分自身で買い取る者も多く、品代は給与から天引きされます。

会社がいったん仕入れた後、個人が販売し、手数料を得る仕組みになっており、販売先からの集金は社員個人の責任であり、品代は販売手数料を残して給与から天引きされます。そしてそれは、売掛金を給与から相殺しているものであり、給与控除に当たらないというのが会社の考え方のようです。
※一応は、天引き前にいくら払うか確認はしますが、いつまでたっても支払えず滞留未収となるケースも少なくありません。ちなみに給与控除の労使協定はありません。
また、販売先から領収書を求められる場合、会社名での領収書を発行している点、特段、会社と社員が販売契約(協定)をしていることもなく、会社が売掛金としている部分についても所得税はかかっています。
こうした会社のやり方に問題ないのでしょか?

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Re: 社員による物品販売と給与控除

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Re: 社員による物品販売と給与控除

著者新米カチョーさん

2013年09月22日 12:03

>  最初にお断りしておきます。「総務の森」を含め民間のHP類で無償の情報を得られた場合、その情報が真正である保証はありません。官庁のHPは国民の税金で作っている公的なものですから、それは信頼できます。その上で敢えて私見を述べます。
>
> 1.「売掛金を給与から相殺しているものであり、給与控除に当たらない」と会社が主張しても、「給与から相殺」と「給与から控除」は実質同じことです。言葉の表現の相違に他なりません。「債務から債権相殺」と「債務から債権を控除」は同じだということが理解できない、日本語が分からない経営者なのでしょうか。
>  「給与控除の労使協定はありません。」とありますが、この部分は完全に労働基準法違反です。労働者の過半数を代表する者(以下「労働者代表」)と書面により協定をしなければなりません。この協定が出来た以後賃金から控除することができるので、それまでに賃金から控除したものは無効です。会社は当該労働者に直ちに返還する義務があると思います。
>
> 2.労働者代表賃金控除協定がしてない旨を、労働者の誰でも良いですから、直ちに労働基準監督署へ具体的に申告してください。労働基準法24条違反として、同法120条により会社は罰金30万円以下に処せられます。
>
> 3.労働者代表の選任は、労働者の民主的な自由な意志によらなければなりません。会社が人選するなどということは許されません。その労働者代表が、今までの悪弊をそのまま認めるという事はないでしょう。
>
> 4.会社の商品を労働者が預かり、労働者がそれを販売し、販売手数料を差し引いた代金を会社に収めるという事は自由な取引行為ですから、そのこと自体は是認されると思います。しかしそれにノルマを課し、ノルマの全額を労働者賃金から控除するのは、明らかに公序良俗に反し、労働契約法の労使対等の原則に違反しています。公に認められることではありません。個別労働紛争となった場合は、会社が明らかに負けるケースです。
>
> 5.「販売先から領収書を求められる場合、会社名での領収書を発行」するのは、このシステムの是非はともかくとして、販売先の立場からすれば当然とも言えます。
>
> 6.現在のやり方を踏襲する限り、当該労働者に「会社が売掛金としている部分についても所得税は」かかります。今後、労働者代表賃金控除協定を結んでも、この部分は同様です。
>  一旦給与支払額に、計上されるからです。このことだけを取り上げて、違反とすることはできないと思います。
>
> 7.賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。(労働基準法第24条)
>
> 8.次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
> 労働基準法第14条、(中略)第23条から第27条まで、(後略)の規定に違反した者(労働基準法第120条第一号)
>
> 9.Webキーワードに次を入力して厚生労働省の説明を是非お読み下さい。
>  本件の経営者は最近よく言われるようになった「ブラック企業」の典型ともいえます。個別労働紛争の原因を会社が作っています。
>  ① 「中小企業のための就業規則講座」(A4版96頁)
>  ② 「知って役立つ労働法」(労働者向けです)
>  ③ 「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」|厚生労働省
>
> 広島県社会保険労務士会 会員 特定社会保険労務士 第1種衛生管理者 広島市 日高 貢


日高 様

たいへん丁寧なご回答を頂きありがとうございます。
また、返信が遅くなったご無礼をお詫び申し上げます。

質問に対して的確なご回答を頂いており、いずれも納得のいくものですが、
一点だけ確認させて頂けないでしょうか?

6.現在のやり方を踏襲する限り、当該労働者に「会社が売掛金としている部分についても所得税はかかります。・・・・

について、従業員が個人事業者であると主張し、販売に関わる金額を区別するよう会社に求めた場合でもそれは叶わないものでしょうか?

現実的には、あり得ないことかもしれませんが参考までにお尋ねしたいのですが・・・・

Re: 社員による物品販売と給与控除

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Re: 社員による物品販売と給与控除

著者新米カチョーさん

2013年09月23日 06:08

> 1.新米カチョーさんが、「従業員が個人事業者であると主張し、販売に関わる金額を区別」して欲しいと思われる理由はなんでしょうか。
>  また、「販売に関わる金額を区別」する方法とは、具体的にはどんな方法なのでしょうか。給料から控除しないで、別途に領収書を発行して欲しいということでしょうか。
>  新米カチョーさんが再質問で言われるその部分の意味が、よく理解できません。
>
> 2.商品代金を給与から控除されたくないのであれば、「給与から控除する労使協定」を従業員みんなで話し合って締結しなければそれで済みます。
>  その協定締結はやむを得ないが、個人によっては給与から控除して欲しくない者も居る、その人は給与控除から外したい、ということでしょうか。もしそうであるならば、せっかく労使協定があっても会社は非常に面倒なことになるので、それを拒否するでしょう。
>  極端な言い方をすれば、労働者の団結の問題です。一概に会社が悪いとは言えません。
>
> 3.商品代金を給与から控除されようとされまいと、各労働者にかかる公的保険料所得税住民税の金額は同じです。
>
> 広島県社会保険労務士会 会員 特定社会保険労務士 第1種衛生管理者 広島市 日高 貢

日高 貢 様

度々のご回答ありがとうございます。
従業員が個人事業者であると主張し、販売に関わる金額を区別」して欲しいと思われる理由とは、
会社は、販売に関わる部分を個人事業であるかのような説明をしているわけですから、
純粋な給料部分と販売関わる部分を区別することにより、給与所得が変わり、所得税住民税社会保険料等にも影響がおよぶのではないかと考えたからです。
ちなみに、年間販売額は少ない人でも20万以上、多い人は100万以上です。
また、逆に従業員は、個人事業者として確定申告の必要性や、どちらが損か得かいった問題等が生じるのでしょうけど・・・・。
実際には、労使協定を結ぶということになるのでしょうが、
そもそも、強制販売を押し付けられることを認めたくないわけですから、
会社説明の矛盾点を確認するつもりでした。

面倒な質問をさせて頂き申し訳ありません。

Re: 社員による物品販売と給与控除

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Re: 社員による物品販売と給与控除

著者新米カチョーさん

2013年09月29日 07:55

> 1.仮に10万円の販売価格の商品をA氏のノルマとし、A氏の販売手数料はその価格の10%とした場合、A氏はその代金を販売先から回収出来たか否かを問わず9万円を賃金から控除されます。
>
> 2.A氏がその代金を回収できなければ、実質9万円を損失します。ですから、このような賃金控除自体は労働者にとっては不利益になる可能性が強く、労働者側はすべきではありません。労働者代表は断るべきです。もし、会社が強要するならば、労働契約法違反ですから、労働基準監督署へ申告しましょう。
>
> 3.協定しその代金をA氏が回収した場合は、A氏は賃金に加え、販売により1万円の利益を得ます。
>  しかし、これだけではA氏は税法上の「個人事業者として」の所得を得たことにはなりません。この段階では、商品代金の有無を問わず、給与の額だけが所得税住民税社会保険料等に影響します。なぜならば、商品代金は賃金支払い額合計には合算されず、賃金控除額のみに計上されるからです。
>
> 4.A氏の確定申告は、この場合不要だと考えます。なぜならば、販売代金総額が事業所得ではなく、所得はそのうち手数料部分のみで、おそらく1年間に20万円を超えないと思うからです。
>  手数料が1年間に1円しかなくても確定申告したい超几帳面人は別ですが、このような少額を確定申告しなくても税務署は問題にしないと思います。雇用保険社会保険も同様に、その手数料を賃金と看做さなくても問題視しないでしょう。
>  労働者側が神経質になりすぎていると思います。
>
> 5.もちろん、手数料を引いた残り代金を賃金支払額に加え、ノルマ販売金額を賃金控除額に計上しているならば、これは別の問題になります。手数料控除後の商品代金総額が、給与所得に合算されます。
>  そうであれば、手数料を引いた残り代金は現物支給となるからです。労働基準法第24条では、賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない、と規定されています。従って、原則は現物支給は認められていません。
>  ただし、労働協約等によって別段の定めがあれば現物支給が認められる場合もあります。労働協約は、労働組合と会社が書面で取り決めたものを言います。また原則としてその労働組合加盟者にだけ適用されます。会社にとっては、賃金控除労使協定よりも遙かに窮屈なものです。
>
> 広島県社会保険労務士会 会員 特定社会保険労務士 第1種衛生管理者 広島市 日高 貢

日高 貢 様

この度は、たいへんお世話になりました。
分かりやすく解説して頂き、おかげさまですっきりしました。

要するに当社は、ブラック企業の典型のようです。
協定も締結していないのに、商品代金を給与から控除します。
販売ノルマは厳しく、本人自身が購入しているものもずいぶんあり、
中には、商品代金を回収できず、本人が借金をして会社に入金している者もいます。

本当にありがとうございました。

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