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労務管理

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改正労働基準法について

著者 ばーくん さん

最終更新日:2010年02月22日 14:50

本年4月1日施行の改正労働基準法について伺います。
改正内容は以下のとおりと思いますが、これについて後述の質問をいたします。
1.時間外労働の抑制
 (1)限度時間を超える割増賃金率の引上げ
 (2)月60時間を超える法定時間外労働に対する法定割増賃金率の引上げ
 (3)(2)の割増賃金支払に代え有給休暇の付与
2.時間単位の有給休暇の付与

〔質問〕
1―(1)について・・・
  これは、特別条項付き36協定を締結した場合に適用されるものであるから、そもそも特別条項を付けなければ適用されないということですか?
  仮に、特別条項を付けた場合でも、努力義務なので法定の割増率(25%以上)でよろしいでしょうか?
1―(2)について・・・
  当社は卸売業で資本金1億円未満の会社なので、適用が猶予され、たとえ月60時間を超えても通常の割増率(25%以上)でよいのでしょうか?
1―(3)について・・・
  前項の解釈が問題なければ、この項目自体は適用されないと解釈してよろしいでしょうか?

2について・・・
 ①労使協定が無ければ、労働者が希望し、使用者が同意した場合でも適用されないのか。半日休暇のように、「日単位取得の阻害とならない範囲で・・・」の取り扱いは適用されないのでしょうか?(労使協定は絶対条件?)
 ②当社は、労使協定の始期が通常3月21日なのですが、この場合、労使協定を締結しても法の施行日が4/1なので3/21~3/31までは1時間単位の有給休暇は使用できないのでしょうか?やはり4/1を始期とした労使協定を締結しなくてはならないのでしょうか?

以上、どなたか詳しい方教えて下さい。

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Re: 改正労働基準法について

著者オレンジcubeさん

2010年02月22日 20:50

> 本年4月1日施行の改正労働基準法について伺います。
> 改正内容は以下のとおりと思いますが、これについて後述の質問をいたします。
> 1.時間外労働の抑制
>  (1)限度時間を超える割増賃金率の引上げ
>  (2)月60時間を超える法定時間外労働に対する法定割増賃金率の引上げ
>  (3)(2)の割増賃金支払に代え有給休暇の付与
> 2.時間単位の有給休暇の付与
>
> 〔質問〕
> 1―(1)について・・・
>   これは、特別条項付き36協定を締結した場合に適用されるものであるから、そもそも特別条項を付けなければ適用されないということですか?
>   仮に、特別条項を付けた場合でも、努力義務なので法定の割増率(25%以上)でよろしいでしょうか?
> 1―(2)について・・・
>   当社は卸売業で資本金1億円未満の会社なので、適用が猶予され、たとえ月60時間を超えても通常の割増率(25%以上)でよいのでしょうか?
> 1―(3)について・・・
>   前項の解釈が問題なければ、この項目自体は適用されないと解釈してよろしいでしょうか?
>
> 2について・・・
>  ①労使協定が無ければ、労働者が希望し、使用者が同意した場合でも適用されないのか。半日休暇のように、「日単位取得の阻害とならない範囲で・・・」の取り扱いは適用されないのでしょうか?(労使協定は絶対条件?)
>  ②当社は、労使協定の始期が通常3月21日なのですが、この場合、労使協定を締結しても法の施行日が4/1なので3/21~3/31までは1時間単位の有給休暇は使用できないのでしょうか?やはり4/1を始期とした労使協定を締結しなくてはならないのでしょうか?
>
> 以上、どなたか詳しい方教えて下さい。

こんにちは。
質問〕
1―(1)について・・・
これは、特別条項付き36協定を締結した場合に適用されるものであるから、そもそも特別条項を付けなければ適用されないということですか?
→その通りです。
 ただ、繁忙期など業務が忙しい月に、36協定で締結された時間数を超えないように注意して下さい。万一超える可能性があるならば、特別条項を締結された方が良いと思います。

仮に、特別条項を付けた場合でも、努力義務なので法定の割増率(25%以上)でよろしいでしょうか?

→その通りです。弊社でも25%のままとします。

1―(2)について・・・
当社は卸売業で資本金1億円未満の会社なので、適用が猶予され、たとえ月60時間を超えても通常の割増率(25%以上)でよいのでしょうか?
→法の施行3年経過後に改めて検討することとされていますということなので、猶予される期間となり、現25%の適用で大丈夫です。

1―(3)について・・・
前項の解釈が問題なければ、この項目自体は適用されないと解釈してよろしいでしょうか?
→3年間は現行の25%の割増で大丈夫ということです。

2について・・・
労使協定が無ければ、労働者が希望し、使用者が同意した場合でも適用されないのか。半日休暇のように、「日単位取得の阻害とならない範囲で・・・」の取り扱いは適用されないのでしょうか?(労使協定は絶対条件?)
→会社が同意しているのであれば、労使協定を締結すべきでしょう。同意しているのに、労使協定を締結しない理由が分かりません。

②当社は、労使協定の始期が通常3月21日なのですが、この場合、労使協定を締結しても法の施行日が4/1なので3/21~3/31までは1時間単位の有給休暇は使用できないのでしょうか?やはり4/1を始期とした労使協定を締結しなくてはならないのでしょうか?
36協定のことでしょうか。
36協定とは切り離して4月1日からの分として締結すればよいのではないでしょうか。

Re: 改正労働基準法について

著者Mariaさん

2010年02月23日 01:39

横レスですが、少し補足させていただきます。

> 1―(3)について・・・
>   前項の解釈が問題なければ、この項目自体は適用されないと解釈してよろしいでしょうか?

ばーくんさんのご質問の意図は、
割増の代わりに有給休暇を付与するという対応が可能なのかどうか?ということですよね?
代替休暇に振り替えることができるのは、
60時間を超えた際の割増賃金の“引き上げ分”のみであり、
貴社の場合、中小企業の猶予により、
そもそも「月60時間超えの割増引き上げ」自体が適用されないわけですから、
当然ながら、ばーくんさんの認識のとおり、割増賃金の代わりに有給休暇を与えるという処理はできません。
労働基準法の一部を改正する法律の施行について(平成21年5月29日基発第0529001号)」にも、
「法第138条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げは適用しないこととされていることに伴い、法第37条第3項の規定による代替休暇も適用されないこととなること」
と明記されています。

> 2について・・・
>  ①労使協定が無ければ、労働者が希望し、使用者が同意した場合でも適用されないのか。半日休暇のように、「日単位取得の阻害とならない範囲で・・・」の取り扱いは適用されないのでしょうか?(労使協定は絶対条件?)

年次有給休暇の時間単位付与を行うには、
時間単位年休の対象労働者の範囲
時間単位年休の日数
時間単位年休1日の時間数
●1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数(1時間未満の単位とすることは不可)
などを規定した労使協定を締結する必要があります。
労使間の合意があればいいというわけではありません。
また、時間単位付与に割り当てることが可能な日数については、
半日付与と同様、「日単位取得の阻害とならない範囲で」という前提に基づき、5日分が限度となります。
したがって、上記の「時間単位年休の日数」については、5日の範囲内で労使間で取り決めることになります。
(前年度分の繰越がある場合でも5日分までが限度となります)

>  ②当社は、労使協定の始期が通常3月21日なのですが、この場合、労使協定を締結しても法の施行日が4/1なので3/21~3/31までは1時間単位の有給休暇は使用できないのでしょうか?やはり4/1を始期とした労使協定を締結しなくてはならないのでしょうか?

法の施行日が4/1ですから、それ以前に時間単位付与を行うことはできません。
3/21に労使協定を結んで「時間単位付与は4/1以降から適用する」というような但し書きを入れるか、
4/1以降に労使協定を結ぶか、どちらかでしょうね。

改正労働基準法については、
厚生労働省から詳しいパンフレットが出ています。
もしまだご覧になっていないようでしたら、一度じっくりご覧になってみるとよろしいかと思います。
具体例なども書いてあって、かなりわかりやすいですよ(^^
代替休暇については12ページ以降、時間単位付与については23ページ以降に記載されています)

【参考】
厚生労働省ホームページ内
改正労働基準法のあらまし(パンフレット)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1l.pdf

Re: 改正労働基準法について

著者ばーくんさん

2010年02月23日 08:46

オレンジcube さん
ご回答ありがとうございました。
私の質問のしかたが悪かったからでしょうか、意図がうまく伝わっていないようなので改めて・・・

> 2について・・・
> ①労使協定が無ければ、労働者が希望し、使用者が同意した場合でも適用されないのか。半日休暇のように、「日単位取得の阻害とならない範囲で・・・」の取り扱いは適用されないのでしょうか?(労使協定は絶対条件?)
> →会社が同意しているのであれば、労使協定を締結すべきでしょう。同意しているのに、労使協定を締結しない理由が分かりません。
労使協定を必要以上に避けている訳でも何でもありません。単に、就業規則の中に盛り込むことで対応できるのか否かという単純な質問です。つまり、次の質問「②当社は、労使協定の始期が通常3月21日なのですが、この場合、労使協定を締結しても法の施行日が4/1なので3/21~3/31までは1時間単位の有給休暇は使用できないのでしょうか?やはり4/1を始期とした労使協定を締結しなくてはならないのでしょうか?」に繋がるのですが、オレンジcubeさんのいうとおり、協定の締結日を4月1日にすればよいだけですが、当社は20日締めで新年度が3月21日から始まることから、36協定はもちろん規程の改定など、原則3月21日付で行っているため、時間単位の有給休暇についても、3月21日を協定の始期として締結した場合、法律と協定の空白となる3月21日から3月31日を就業規則の変更のみで対応可能かどうかを知りたかっただけです。

長々と書きましたが、アドバイスいただければ幸いです。

Re: 改正労働基準法について

著者ばーくんさん

2010年02月25日 08:26

Mariaさん
ご回答のお礼をするのを失念していました。大変失礼いたしました。

誠に勝手ながら、この場を借りてご質問させていただきたいと思います。ご回答いただければ幸いです。
質問は以下のとおりです。

4月1日施行の時間単位の年次有給休暇についてお尋ねいたします。

(1)1回の取得時間に上限を設けることは可能ですか?
   労使協定で定める事項に、「1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数」を協定することになっていますが、例えば「1回の申出で取得可能な時間は1時間、2時間、3時間のいずれかとする。」とし、実質3時間以下とする協定は有効でしょうか。
(2)1日又は1ヶ月の取得回数を制限することは可能でしょうか?
   例えば、「1日あたりの取得回数は1回とし、かつ、1ヶ月あたりの取得回数は4回以内とする。」とする協定は有効でしょうか。
(3)半日休暇時間単位年休との併用を禁止することは可能でしょうか?(既に半日休暇制度があり、半日休暇を4時間とした場合。)
   仮に、5時間休暇を取得したいとした場合、半日休暇時間単位年休1時間を併用すれば5時間になりますが、それを禁止し、「半日休暇時間単位年休との併用は認めない。」とする協定は有効でしょうか。(現実にこのような申出をする労働者がいるかは別として・・・)
(4)休憩時間(12:00~13:00)をまたぐ時間単位年休の場合、当然に休憩時間は除外されると解釈してよいのでしょうか?
   例えば、11:00から昼をまたぐ2時間の申出があった場合、その時間は11:00~14:00までとすればよいのでしょうか。

Re: 改正労働基準法について

著者Mariaさん

2010年02月25日 13:23

> (1)1回の取得時間に上限を設けることは可能ですか?
>    労使協定で定める事項に、「1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数」を協定することになっていますが、例えば「1回の申出で取得可能な時間は1時間、2時間、3時間のいずれかとする。」とし、実質3時間以下とする協定は有効でしょうか。

以下の通達により、
一日において取得できる時間単位年休の時間数を制限すること等は認められないものとされています。
(時間単位取得は、所定労働時間の範囲内で取得できるものですので、
 実質的な1日の取得時間数の上限は所定労働時間数となります)

【参考】
労働基準法の一部を改正する法律の施行について(平成21年5月29日 基発第0529001号)
「事業の正常な運営を妨げるか否かは、労働者からの具体的な請求について個別的、具体的に客観的に判断されるべきものであり、あらかじめ労使協定において時間単位年休を取得することができない時間帯を定めておくこと、所定労働時間の中途に時間単位年休を取得することを制限すること、一日において取得することができる時間単位年休の時間数を制限すること等は認められないこと」

> (2)1日又は1ヶ月の取得回数を制限することは可能でしょうか?
>    例えば、「1日あたりの取得回数は1回とし、かつ、1ヶ月あたりの取得回数は4回以内とする。」とする協定は有効でしょうか。

年次有給休暇労働者本人の請求により取得するものであり、使用者には拒否権はありません。
前述の通達にもありますとおり、時期変更権を行使できる要件となる「事業の正常な運営を妨げるか否か」は、労働者からの具体的な請求について、個別的、具体的に客観的に判断されるべきものです。
あらかじめ1日あたり、1ヶ月あたりの取得回数を制限することは、
実質的に、時期変更権の行使要件を満たさないのに、年次有給休暇の取得を拒否することにほかなりません。
年次有給休暇の取得を阻害することになるため、認められないでしょう。

> (3)半日休暇時間単位年休との併用を禁止することは可能でしょうか?(既に半日休暇制度があり、半日休暇を4時間とした場合。)
>    仮に、5時間休暇を取得したいとした場合、半日休暇時間単位年休1時間を併用すれば5時間になりますが、それを禁止し、「半日休暇時間単位年休との併用は認めない。」とする協定は有効でしょうか。(現実にこのような申出をする労働者がいるかは別として・・・)

前述のとおり、時間単位取得の1日あたりの取得時間数に上限を定めることはできませんので、
労使協定により時間単位取得を認めている会社の場合、
本人が5時間の時間単位取得を申し出れば、時期変更権の行使要件を満たさない限りは、
使用者側はこれを認めるしかありません。
(2時間単位で取得するものと定めているような場合に、
 4時間ないし6時間で取得するよう求めることは可能かと思いますが)

> (4)休憩時間(12:00~13:00)をまたぐ時間単位年休の場合、当然に休憩時間は除外されると解釈してよいのでしょうか?
>    例えば、11:00から昼をまたぐ2時間の申出があった場合、その時間は11:00~14:00までとすればよいのでしょうか。

年次有給休暇は、「賃金を減じることなく労働の義務を免除する」というものですから、
そもそも労働の義務のない休憩時間は、年次有給休暇を取得した時間にはなりえないものと考えます。
したがって、ご質問のケースでは、
11:00~12:00、13:00~14:00の2時間の時間単位取得を行ったものとして扱うことになるでしょうね。

前述の通達全文は、以下のリンクから見れますので、
参考になさってください。

【参考】
労働基準法の一部を改正する法律の施行について(平成21年5月29日 基発第0529001号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1j.pdf

Re: 改正労働基準法について

著者ばーくんさん

2010年02月25日 16:37

Mariaさん

ご回答ありがとうございました。
大変詳しい内容で分かりやすいです。

今後もよろしくお願い致します。

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