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労働安全衛生規則は仕事場の安全と衛生のためのマニュアル







2018年1月19日号 (no. 1076)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【労働安全衛生規則は仕事場の安全と衛生のためのマニュアル】
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留学生大けが 会社と工場長を書類送検
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171215-00000003-tbcv-l04

( - 引用開始 - )
 2016年6月、宮城県名取市内の食品メーカーの工場で、アルバイトのネパール人留学生が右腕切断の大けがをする事故があり、仙台労働基準監督署は、14日、この食品メーカーと当時の工場長を労働安全衛生法違反の疑いで仙台地方検察庁に書類送検しました。
 書類送検されたのは、コンビニの弁当などを製造する食品メーカーで千葉市に本社のあるフジフーズと、名取市本郷にある仙台工場の40歳の当時の工場長です。
 仙台労働基準監督署によりますと、仙台工場では2016年6月、当時19歳のアルバイトのネパール人の女子留学生が、肉の加工用の機械を洗っていた際に巻き込まれ右腕を切断する大けがをしました。
 女子留学生はコンセントを抜いてから機械を洗わなければならないことを知らなかったということで、フジフーズと当時の工場長は、採用時に義務付けられている安全教育などを行わなかった疑いが持たれています。
( - 引用終了 - )
 

 

 

労働安全衛生法に違反した事例ですが、安全や衛生に関連するトラブルは他にもあります。


高い場所で作業していたが、安全具を装着しておらず落下して怪我をした。
暑い場所で作業して熱中症になった。
寒い場所で仕事をしていて凍傷になった。
機械が動いているところに挟まれて怪我をした。
作業機械の安全カバーを外して操作していて怪我をした。
後方確認を怠って重機を動かした。
 

仕事場では色々と安全に関するトラブルが大なり小なり発生します。



厚生労働省のウェブサイトでも『労働基準関係法令違反に係る公表事案』としていくつも事例が公開されています。
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html


積荷を置くパレットを高く積み上げて、その上に乗り照明器具を交換していたところ、パレットが崩れ、落下して死亡した人も過去にいました。確か2016年にニュースになった事故です。


やってはいけない労務管理。法令違反事例から。
http://www.growthwk.com/entry/2017/08/24/164011

 


■英語で注意書きを作る。


外国人が職場にいるならば、日本語だけでなく母国語での注意書きも併記しておくのも1つの方法です。


仕事での怪我は、不注意や対策不足によるもので、原因は単純です。

今回は、右腕切断という事故ですが、機械の電源を切っておく、安全装置を起動しておくなど。対策はごく簡単なものです。


外国人の母国語で大事なことを伝えるのは難しそうと思えますけれども、今ならばGoogle翻訳もありますし、日本語で入力してボタンをクリックすれば翻訳できます。内容によっては滑らかな文章にはならないかもしれませんが、職場にいる外国人にチェックしてもらいながら注意書きを作れば良いのです。

それほど手間がかかる作業ではありませんし、起こりうる事故を考えれば、コストとしては安いものです。注意書き文書を作って事故を防ぐ。注意書きを作らずに右腕が切断される。この両者を比べれば、注意書きを作る方が良いでしょう。

 

例えば、


「洗浄する時は電源を切る」という文書を翻訳すると、


英語では、
Turn off the power when cleaning.


ネパール語では、
सफाई गर्दा शक्ति बन्द गर्नुहोस्।


これがネパール語らしいですが、何が書かれているのかサッパリ分かりません。まず文字が読めませんし、翻訳しても、その表現が合っているのかどうか、ネイティブしか検証できないんですね。


母国語を併記するのが難しいならば、最低でも英語表記は必須です。英語だったら日本人でも分かりますし、翻訳もラクです。誰でもそれなりに分かる言語があると便利ですね。

「Turn off the power when cleaning.」だったらシンプルで分かりやすい。


もちろん、何でもかんでもこういう作業が必要なのではなく、安全や衛生に関する重要な部分だけ英語でも注意書きを示しておきます。

 

 

 

■仕事での安全や衛生に関する決まりごとは労働安全衛生規則に書かれている。


労働安全衛生法の目的は、安全で衛生的に仕事ができる環境を作る。それができていれば、違反にはならないんですね。


この作業環境は安全なのか、衛生的なのか。この2つの基準で判断する。専門的な知識が求められるものではありませんから、普通の一般的な感覚で「これは安全か」、「これは衛生的か」を判断して、対策を講じる。



労働安全衛生規則には安全や衛生に関する決まりごとが書かれています。職場で監督や管理の立場で仕事をしている方は一度目を通しておくと良いでしょう。

労働安全衛生規則
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=347M50002000032&openerCode=1#EP

例えば、労働安全衛生規則61条には病者の就業禁止について書かれていますが、ノロウィルスやインフルエンザの症状がある人はここに該当しますから、その人の就業を禁止しないと行けないわけです。


他にも、機械による危険の防止に関するルールもあります。

101条「事業者は、機械の原動機、回転軸、歯車、プーリー、ベルト等の労働者に危険を及ぼすおそれのある部分には、覆おおい、囲い、スリーブ、踏切橋等を設けなければならない」

機械が動く部分にカバーを付けて事故を防がないといけないんですね。


さらに、休憩のための設備(613条)、職場の大掃除(619条)、職場でのトイレ(628条)など身近な決まりごとも書かれていますので読みやすいです。


法律の文章というと堅くて読みにくいイメージがありますけれども、労働安全衛生規則は法的な文書とは思えないほどスルスルと読めます。

労働安全衛生規則を読んでいなくても、安全や衛生への対策は講じれます。しかし、その場その場で対策を講じていては抜けや漏れが生じます。何らかの基準や指針があったほうが対策はしやすいでしょう。それが労働安全衛生規則なんですね。


これを機会に、労働安全衛生規則を見ながら、職場の安全と衛生をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 




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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


http://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180119_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180119_3





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
http://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20180119_4



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