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助成金をもらうにあたりメリット・デメリットの検討方法

平成21年8月15日 第71号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1.助成金をもらうにあたりメリット・デメリットの検討方法
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1.助成金をもらうにあたりメリット・デメリットの検討方法

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<1> はじめに

今回のメルマガは、先日講演した内容を、助成金を貰う為のメリットとデメリ
ットをどの様に考えていくのかをまとめた。

助成金についてはデメリットも大きいものがあり、しっかりと検討をしなけれ
ば後からそのデメリットに拘束されることとなる。

もらわなければ良かったという経営者も少なくない。

その点をしっかりご理解いただく為にテーマとした。

<2>助成金とは

助成金とは、国が一定の政策を誘導する為に、インセンティブ目的で金銭を給
付するものである。
本稿では、厚生労働省の助成金を中心にお話しするが、その枠組みは変わらな
い。

<3>助成金の類型

(1)助成金のメリット・デメリットの考え方

助成金のメリットとは、お金がもらえること。
この点は異論がないと考えます。
ではデメリットを検討するにあたり、どの様に考えればいいのであろうか。
以下で説明したい。

(2)助成金の類型

デメリットについては以下の3つの分類で考えると理解しやすい。
 1 やらなくていいことをやることでもらえる助成金
 2 やらなくてはいけないことをやるともらえる助成金
 3 とりあえずもらえる準備をしておき、該当すればもらえる助成金

(3)「やらなくてもいいことをやることでもらえる助成金」とは何か。

例えば定年延長。
高年齢者等雇用安定法により最終的に65歳まで継続雇用をしなければならない
とされおり、定年延長や定年廃止までは求められていない。
例えば、平成10年に定年を65歳にして助成金を貰った場合、30人未満の企
業は最大5年で500万円もらうことが出来た。
しかし定年を65歳とした場合、全員を65歳まで再雇用することなく雇用する
わけであり、定年後の再雇用と違い労働条件の大幅変更は出来ない。

例えば年収400万円の労働者であれば、5年間で2000万円の人件費がかかる。
このかかる経費が妥当であれば助成金を貰うメリットがあると判断できる。
しかし妥当と判断できなければ、貰うメリットは無いということになる。

59歳と61歳の体力差は少ないと仮定しても、59歳と64歳や65歳の体力差
はどの程度であるか。
また、定年を延長して雇いたくないものに対してどの様に考えるのか。
この点を検討すれば、デメリットがどの程度あるかの答えを導き出せることになる
であろう。

(4)「やらなくてはいけないことをやるともらえる助成金」とは何か

これは育児関係の助成金が好例である。
育児休業者が出た場合、育児介護休業法に則り育児休業を付与しなければならない。
よって要件に該当すれば積極的にもらうべき助成金である。

(5)「とりあえずもらえる準備をしておき、該当すればもらえる助成金」とは何か

これはトライアル雇用や若年者等正規雇用化特別奨励助成金等である。
職安に求人票を出し、この2つの助成金を受けたい旨を申し出ればもらえる可能性が
ある。
人物本位で面接して、採用した結果もらえればラッキーという考え方である。。
その為に「職安への求人票」と「助成金を活用する求人票」の2つを満たしておけば
良く、このコストはゼロである。

この様に考えていけば、助成金についてのリスクの考え方が整理できる。

<4>助成金をもらえなくても同様の効果は検討してみる

(1)中小企業緊急雇用安定助成金の検討

中小企業緊急雇用安定助成金について、計画通り休業が実施できない場合が多い。
中小企業の場合には、発注者の都合で急に仕事が発生する場合が多く、計画通りに休業
できないケースが多い。
また、出勤しても午前中しか仕事がない場合もある。
納期の関係で明日の仕事と一緒に出来ないというケースである。
この様な場合、どの様に考えたらいいのであろうか。

(2)労働基準法第26条との関係

使用者責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中当該労
働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。 
この規定により支払われる休業手当の8割を助成するのがこの助成金である。
まず事実ありきであるので、法律との関係をしっかりとおさえた上で、助成金を検討し
なければメリット、デメリットを適切に検討することは出来ない。

休業期間が一労働日に満たない場合の休業手当の額(昭27.8.7基収3445号)と
いう通達には、「1日の所定労働時間の一部のみ使用者責めに帰すべき事由による休業
がなされた場合にも、その日について平均賃金の百分の六十に相当する金額を支払わなけ
ればならないから、現実に就労した時間に対して支払われる賃金平均賃金の百分の六十
に相当する金額に満たない場合には、その差額を支払わなければならない。」とされてい
る。

即ち、一部休業でも賃金が百分の六十以上支払われていればそれ以上し払う必要はないと
いうことでもある。
おおざっぱな計算をしてみると、仮に時給1,000円の労働者の場合、8時間労働する
と8,000円である。

午前中だけ休み、午後だけ出勤した場合には5時間出勤とし、5,000円の賃金となる。
分かりやすくする為に、平均賃金で求めるべき休業手当を時給で計算するがご了承願いた
い。
この労働者の一日分の休業手当は1,000円×6割で600円。
600円×8時間で4,800円となる。
午後実際に働いた賃金が5,000円であるので、休業手当を支給する必要がないというこ
とになる。

極端な例であるが、この様なことも検討すべきである。

<5>まとめ
助成金をもらうか否かについて、理論的に検討をしているケースは少ない。
是非このメルマガを参考にしていただきたい。

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編集責任者 特定社会保険労務士 山本 法史
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