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改正労働者派遣法について

平成24年10月15日 第109号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1.改正労働者派遣法について
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1.改正労働者派遣法について

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1.はじめに

労働者派遣法が改正されました。
方向性としては規制強化です。

改正点は3つ。
第一は「日雇い派遣の原則禁止」
第二は「いわゆるグループ関係にある企業への労働者派遣の制限」
第三は「その会社を離職した労働者が、労働者派遣で離職した会社へ派遣され
ることの禁止」
です。

以下、順番に解説したいと思います。

2.日雇い派遣の原則禁止
(1)日雇い派遣とは
日雇い派遣とは、「日々または30日以内の期間を定めて派遣元事業主に雇用される労働者労働者派遣すること」です。
極端な短期の派遣は原則禁止になったと解釈出来ます。

労働者派遣法の議論の際に欠落していると考えられる事は、派遣会社は人を集めて管理するノウハウがあるということです。
短期間働いてくれる人材が欲しいという企業サイドのニーズと、家庭の事情や体調の問題で短期でしか働けないという労働者サイドのニーズを調整することが人材派遣会社の社会的機能でした。
いままで就労した経験がなく、履歴書が書けないという求職者でも就労できる機会を提供出来たのも人材派遣会社の社会的機能でした。
この社会的機能を制限する方向で法改正が進んでいますが、この社会的機能を代替するものがないことを真剣に考えなければなりません。

(2)日雇い派遣禁止の例外

今回はこの日雇い派遣原則禁止に例外が2つ設けられました。

第一の例外は、業務を迅速かつ的確に遂行する為に専門的な知識、技術または
経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者を従事させても当
日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務
として政令で定める業務について労働者派遣をする場合。

政令で定める業務とは以下の通りです。

政令26業務の内18業務が対象になります。
1号 ソフトウエア開発
2号 機械設計
5号 事務用機器操作
6号 通訳、翻訳、速記
7号 秘書
8号 ファイリング
9号 調査
10号 財務
11号 貿易
12号 デモンストレーション
13号 添乗
16号 受付・案内(駐車場の管理は除く)
17号 研究開発
18号 事業の実施体制の企画・立案
19号 書籍等の制作・編集
20号 広告デザイン
23号 OAインストラクション
25号 セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

第二の例外は、雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者雇用
の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定め
る場合であり、以下が対象となります。

1号 当該日雇労働者が60歳以上の者である場合
定年退職者に限らず対象となります。

2号 当該日雇労働者がいわゆる昼間学生である場合(学校教育法1条、12
4条または134条1項の学校の学生または生徒(同法4条1項に規定する定
時制の課程に在学する者その他厚生労働省令で定めるものを除く)である場合)
です。しかし以下に該当する場合には例外の対象外となり、日雇い派遣は禁止
されます。

・卒業を予定している者であって、雇用保険法第5条1項に規定する適用事業
雇用され、卒業後も引き続き当該事業の事業主に雇用される事になっている

・休学中の者
・前2号に準ずる者

第3号 当該日雇労働者及びその属する世帯の他の世帯員について厚生労働省
令で定めるところにより算定した収入の額が厚生労働省令で定める額以上であ
る場合
 分かりやすく言えば、副業として従事する場合やその世帯の主たる生計者で
はないことが条件となります。具体的には以下の通りです。

日雇労働者の1年分の賃金その他の収入額が500万円以上である場合
(これは500万円以上の収入があれば、日雇派遣は副業として考えましょう
という理由であると推測出来ます。)

日雇労働者(主として生計を一にする配偶者(婚姻の届け出をしていないが、
事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含む)その他親族(以下、「配偶者等
」)の収入により生計を維持する者に限る)および当該日雇労働者と生計を一
にする配偶者等の1年分の賃金その他の収入額を合算した額が500万円以上
である場合。
(これは日雇労働者の世帯が500万円以上の収入があれば、主たる収入源は
日雇派遣以外のものからの収入であり、日雇い派遣に依存した家計ではない為
と推測出来ます。)

(3)施行日
平成24年10月1日以降に締結される労働者派遣契約に基づく労働者派遣に
ついて適用されます。

3.関係派遣先への労働者派遣の制限

(1)概要

これは、いわゆるグループ会社を主たる派遣先である派遣会社への規制です。
グループ会社への労働者派遣が主たるものであれば、専ら派遣と同様に考える
事が出来、労働者供給事業ともみなすことができるという発想によるものです。
 派遣元事業主は、当該派遣元の経営を実質的に支配することが可能となる関
係にある者(関係派遣先)に労働者派遣をするときは、関係派遣先の派遣割合
が100分の80以下となるようにしなければならないとされました。

(2)派遣割合の計算

派遣割合の計算は、派遣就労にかかる総労働時間で行います。

派遣労働者の関係派遣先での派遣就業にかかる総労働時間から定年退職者の関
派遣先での派遣就業にかかる総労働時間を控除します。

この数字に、派遣労働者の全ての派遣就業にかかる総労働時間を除して計算を
行います。

(3)関係派遣先とは

関係派遣先とは連結決算を導入している場合には、「派遣元事業主を連結子会
社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則2条4号に規定する
連結子会社をいう)とするもの及び当該社の連結子会社」となっており、いわ
ゆる連結子会社に当たります。

連結決算を導入していない場合には「連結決算をしていない当該派遣元事業主
の親会社等または当該派遣元事業主の親会社等の子会社等」となります。
わかりにくい言い回しですが、派遣会社の親会社そのものやその子会社等が対
象となります。
a 親会社等とは

派遣元事業主(株式会社に限る)の議決権の過半数を所有しているもの

派遣元事業主(会社法575条1項に規定する持分会社である場合に限る)
資本金の過半数を出資しているもの

派遣元事業主の事業の方針に関して、前2号に掲げるものと同等以上の支配
力を有すると認められるもの

b 親会社等の子会社等

派遣元事業主の親会社等が議決権の過半数を所有しているもの(株式会社
限る)

派遣元事業主の親会社等が資本金の過半数を出資しているもの(会社法57
5条1項に規定する持分会社である場合に限る)

・事業の方針の決定に関する派遣元事業主の親会社等の支配力が、前2号に掲
げるものと同等以上の支配力を有すると認められるもの

4.離職した労働者についての労働者派遣の原則禁止

派遣先企業を離職して、当該離職の日から1年を経過するまでの間は、当該労
働者を当該派遣先企業に労働者派遣をする事が禁止されました。

但し例外として60歳以上で定年退職したものは除かれます。
例外は今の段階ではこれだけであり、極めて短期間就労した場合、例えば3月
の不動産業の繁忙期に短期のアルバイトを1週間行った場合、その後、縁あっ
てこの不動産会社に派遣されることは許されるかという問題があります。

これは現状では出来ないということとなります。
かえって就業の機会を失うこととなるように思えます。
この様な疑問は労働法制や社会保険法制に多いのが実態です。
実務に精通した方々の意見が反映されていないことが問題ではないかと思いま
す。

5.その他
派遣労働者の待遇確保として以下のことが求められます。
a 平均マージン比率の情報提供
b 派遣契約解除の際の就業機会の確保や休業手当等の支払いに要する費用負担
等の措置
c 有期雇用派遣労働者雇用安定等
d 派遣先労働者賃金水準との均衡を考慮した待遇の確保
e 各人の希望、能力および経験に応じた教育訓練の機会の確保等福祉の増進
f 待遇に関する事項等の説明
g 労働者派遣に関する料金の明示

平均マージン比率や労働者派遣に関する料金の明示については、労働者派遣イ
コール悪という前提で、派遣会社が中間搾取をしているという構図の中で出て
きたものです。

しかし労働者派遣は、様々な事情で就業をしなかった、または出来なかった労
働者の就業機会の提供という社会的機能を持っています。

家庭の事情や病気などで労働者派遣を上手く使い就業の機会を確保するという
社会的機能を直視せず法改正を行うことは、労働者の就業の機会を奪うことに
つながります。

派遣労働者の待遇確保をすすめるというスローガンには反対しません。
しかし各論で規制を強化すれば、製造業の海外移転はますます進み失業率は増
加します。
また、就労の多様化を進めていくことも重要であり、生活保護受給者の自立と
いう課題についても労働者派遣を積極的に使っていくことで、OJTを通じた
職業訓練につながっていくのです。

労働者の観点から考えても労働者派遣の規制強化はメリットがあるとは考えら
れないと私は考えます。

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編集責任者 特定社会保険労務士 山本 法史
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