━━☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏ C O N T E N T S┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏
┏┏┏
┏┏ ◇ はじめに
┏┏ ◇ 周知されていないケース
┏┏ ◇ 違法な
就業規則とは
┏┏ ◇
就業規則による
不利益変更は
┏┏┏
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
はじめに
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働契約法には『
就業規則が合理的で周知させてあれば、
労働者が合意した
労働契約の内容に
なる』趣旨の規定が盛り込まれています。
第10条
使用者が
就業規則の変更により
労働条件を変更する場合において、変更後の
就業規則を
労働者
に周知させ、かつ、
就業規則の変更が、
労働者の受ける不利益の程度、
労働条件の変更の必要
性、変更後の
就業規則の内容の相当性、
労働組合等との交渉の状況その他の
就業規則の変更に
係る事情に照らして合理的なものであるときは、
労働契約の内容である
労働条件は、当該変更
後の
就業規則に定めるところによるものとする。
ただし、
労働契約において、
労働者及び
使用者が
就業規則の変更によっては変更されない労
働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでな
い。
(第12条
就業規則で定める基準に達しない
労働条件を定める
労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、
就業規則で定める基準による。)
★合理的とは
広辞苑第5版によると、合理性とは「①道理にかなっていること。論理の法則にかなっている
こと。②行為が無駄なく能率的に行われること」とされています。
★周知とは
就業規則は、
労働者の
労働条件や職場で守るべき規律などを定めたものですから、
労働者全員
に知らせておかなければ意味がありません。
本来であれば、・
従業員の一人ひとりに
就業規則を配布することが望ましいのですが、それが
できなくても常時自由に見られることは最低条件です。このほかの方法として
労働基準法106
条では
・常時各作業場のみやすい場所へ提示し、または備え付ける
・フロッピーディスク、
CD-R等記録し、各
事業場の
従業員が当該記録の内容を常時確認できる
機器を設置する
を挙げています。
要するに「
労働者が知りたいときに、いつでも知り得る状態」にあることです。
また、このように周知が図られている場合には、
労働者がその内容を知っているか否かにかか
わらず、周知させていた状態に該当する、というのが厚労省
通達(平成20年1.23、基発第
0123004号)にあります。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
周知されていないケース
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
【ケース1】会社の社内ネットでしか
就業規則が見られないが、正社員ではないのでパスワー
ドが無く、見られない。
【ケース2】
総務部に見たい、と言ったら「部長の許可が必要だ」と言われた
【ケース3】見ることはできるがコピーは禁止されている
特に、新たに
就業規則を作成し、あるいはその内容を大幅に変更した場合には、その内容がす
べての
労働者に確実に、かつ速やかに周知されるようにすることが必要です。
また、
従業員への周知義務を怠った
就業規則の効力が争われて裁判になったことがあります。
この時は、「周知義務が果たされてない以上
就業規則の効力はない」という判例が出ました
(平成10.9.7 大阪地裁)。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
違法な
就業規則とは
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
★そもそも
就業規則自体が違法な場合、変更云々の余地はなく無効です。
【ケース1】
就業規則の定期昇給額が男女別
⇒男女の
賃金差別にあたり無効
【ケース2】
就業規則に「会社の都合で
契約解除でき、
労働者は申し立てできない」と規定さ
れている
⇒客観的に合理的な理由などを欠く解雇は労基法16条違反
【ケース3】共働き社員の夫が、子育てを理由に転勤を断ったが、
就業規則に転勤の義務があ
り異動させられた
⇒著しく子育てに支障があれば、育児・
介護休業法26条の「
使用者の配慮義務」の
趣旨に違反する可能性あり
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
就業規則による
不利益変更は
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
規定や制度内容が合理的か否かというだけでなく、変更の必要性と内容の両面から照らして、
労働者の被る不利益を考慮してもなお、
不利益変更を是認できるか否かという観点から判断さ
れます。
そして、
賃金、
退職金など
労働者にとって重要な
労働条件に関する
不利益変更については、こ
の変更を「
労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的
な内容そのものであることを要する」とされています(大曲農協事件)。
わかりやすく言うと、
就業規則による
労働条件の不利益変更は原則できない。
ただし例外がある。
(1) 変更の必要性がある
(2)
労働者が受ける不利益程度の相当性がある
(3) 代償措置、
経過措置が講じられている
(4) 変更に際しての組合との協議等が尽くされている
労働契約法は総体的に、過去の裁判や判例を下敷きに、若干の手直しを加えて仕立て上げられ
ており、今後の裁判、
労働審判、個別労働紛争処理における規範的な期待がこめられているも
のです。
したがってその下敷きとなった過去の判例法理からすると、上記全部を満たしているとき合理
性がある、といえるのでしょう。
【ケース1】
成果主義が
就業規則で決められ、大幅に
賃金を下げられた
⇒直ちに違法とはなりませんが、ほとんどの社員の
賃金が下がるのであれば事実上の
賃下げと
いえる
【ケース2】
契約社員の
労働時間が短縮され、
賃金が大幅に下がった
⇒個別合意が成立していないのならば、一方的な
労働時間短縮となり、無効と主張できる可能
性がある
反対に、
「新たな
就業規則の作成又は変更によって、
労働者に不利益な
労働条件を一方的に課すること
は、合理的なものであるかぎり、個々の
労働者において、これに同意しないことを理由とし
て、その適用を拒否することは許されない」とした、秋北バス事件 最高裁判決もあります。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
┏━━━━━┓CH
ECK >>> ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
┃┣━┫ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┗┣━┫
┓ ┗┳┛
http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
┗━━┛
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
━━☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏ C O N T E N T S┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏
┏┏┏
┏┏ ◇ はじめに
┏┏ ◇ 周知されていないケース
┏┏ ◇ 違法な就業規則とは
┏┏ ◇ 就業規則による不利益変更は
┏┏┏
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
はじめに
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働契約法には『就業規則が合理的で周知させてあれば、労働者が合意した労働契約の内容に
なる』趣旨の規定が盛り込まれています。
第10条
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者
に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要
性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に
係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更
後の就業規則に定めるところによるものとする。
ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労
働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでな
い。
(第12条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。)
★合理的とは
広辞苑第5版によると、合理性とは「①道理にかなっていること。論理の法則にかなっている
こと。②行為が無駄なく能率的に行われること」とされています。
★周知とは
就業規則は、労働者の労働条件や職場で守るべき規律などを定めたものですから、労働者全員
に知らせておかなければ意味がありません。
本来であれば、・従業員の一人ひとりに就業規則を配布することが望ましいのですが、それが
できなくても常時自由に見られることは最低条件です。このほかの方法として労働基準法106
条では
・常時各作業場のみやすい場所へ提示し、または備え付ける
・フロッピーディスク、CD-R等記録し、各事業場の従業員が当該記録の内容を常時確認できる
機器を設置する
を挙げています。
要するに「労働者が知りたいときに、いつでも知り得る状態」にあることです。
また、このように周知が図られている場合には、労働者がその内容を知っているか否かにかか
わらず、周知させていた状態に該当する、というのが厚労省通達(平成20年1.23、基発第
0123004号)にあります。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
周知されていないケース
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
【ケース1】会社の社内ネットでしか就業規則が見られないが、正社員ではないのでパスワー
ドが無く、見られない。
【ケース2】総務部に見たい、と言ったら「部長の許可が必要だ」と言われた
【ケース3】見ることはできるがコピーは禁止されている
特に、新たに就業規則を作成し、あるいはその内容を大幅に変更した場合には、その内容がす
べての労働者に確実に、かつ速やかに周知されるようにすることが必要です。
また、従業員への周知義務を怠った就業規則の効力が争われて裁判になったことがあります。
この時は、「周知義務が果たされてない以上就業規則の効力はない」という判例が出ました
(平成10.9.7 大阪地裁)。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
違法な就業規則とは
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
★そもそも就業規則自体が違法な場合、変更云々の余地はなく無効です。
【ケース1】就業規則の定期昇給額が男女別
⇒男女の賃金差別にあたり無効
【ケース2】就業規則に「会社の都合で契約解除でき、労働者は申し立てできない」と規定さ
れている
⇒客観的に合理的な理由などを欠く解雇は労基法16条違反
【ケース3】共働き社員の夫が、子育てを理由に転勤を断ったが、就業規則に転勤の義務があ
り異動させられた
⇒著しく子育てに支障があれば、育児・介護休業法26条の「使用者の配慮義務」の
趣旨に違反する可能性あり
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
就業規則による不利益変更は
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
規定や制度内容が合理的か否かというだけでなく、変更の必要性と内容の両面から照らして、
労働者の被る不利益を考慮してもなお、不利益変更を是認できるか否かという観点から判断さ
れます。
そして、賃金、退職金など労働者にとって重要な労働条件に関する不利益変更については、こ
の変更を「労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的
な内容そのものであることを要する」とされています(大曲農協事件)。
わかりやすく言うと、就業規則による労働条件の不利益変更は原則できない。
ただし例外がある。
(1) 変更の必要性がある
(2) 労働者が受ける不利益程度の相当性がある
(3) 代償措置、経過措置が講じられている
(4) 変更に際しての組合との協議等が尽くされている
労働契約法は総体的に、過去の裁判や判例を下敷きに、若干の手直しを加えて仕立て上げられ
ており、今後の裁判、労働審判、個別労働紛争処理における規範的な期待がこめられているも
のです。
したがってその下敷きとなった過去の判例法理からすると、上記全部を満たしているとき合理
性がある、といえるのでしょう。
【ケース1】成果主義が就業規則で決められ、大幅に賃金を下げられた
⇒直ちに違法とはなりませんが、ほとんどの社員の賃金が下がるのであれば事実上の賃下げと
いえる
【ケース2】契約社員の労働時間が短縮され、賃金が大幅に下がった
⇒個別合意が成立していないのならば、一方的な労働時間短縮となり、無効と主張できる可能
性がある
反対に、
「新たな就業規則の作成又は変更によって、労働者に不利益な労働条件を一方的に課すること
は、合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由とし
て、その適用を拒否することは許されない」とした、秋北バス事件 最高裁判決もあります。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
┏━━━━━┓CHECK >>> ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
┃┣━┫ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┗┣━┫
┓ ┗┳┛
http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
┗━━┛
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/