相談の広場
お教え願います。
当社の契約社員についてなんですが・・・、
労働契約書では8月迄の契約でしたが、勤怠不良が頻発(遅刻、無断欠勤)し改善勧告にも従わなかった為契約を途中解約しました。
この社員は以前から勤怠が悪くて困っていたので、労働契約書に「勤怠不良が頻発し改善勧告に従わない場合は契約を途中解約する」と記載し、きちんと本人に口頭でも説明し納得したうえ労働契約書に署名してもらっています。
担当業務を達成しておらず、やりかけた作業がありながら無断欠勤をした為、その穴埋めをする為に投じた作業工数が発生しています。
当社としては本人には8月分については支払うべき金額がないと考えております。
しかし労働基準法ではこのような処置は問題になってしまうのでしょうか?
月の給与は支払わないといけないのでしょうか?
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有期雇用契約は契約期間の終了まで、使用者・労働者を拘束しますので、原則として、中途で解約(解雇)は出来ません。
やむを得ない事由がある場合のみ中途解約(解雇)が出来ますが、少なくとも30日前の解雇予告又は解雇予告手当の支払が必要です。
もう既に過去?
判例では
期間の定めのある労働契約の場合、民法628条により原則として解約できず、やむを得ざる事由があるときに限り期間内解除ができるにとどまる」
3ケ月の有期労働契約の中途解約について(安川電機事件 平成14.9.18 福岡高裁)
ご質問ではまぁ、止むを得ない事由に該当するのでしょう。でも少なくとも8月に実働した分の賃金の支払い義務はあります。
やむを得ない事由で解雇する場合であっても、使用者側の事由によっては、民法628条により、損害賠償として、残存契約期間の賃金相当額の支払わなければならない場合もあります。
有期雇用契約(期間の定めのある契約)の場合は、民法の雇用契約の規定が適用されますので、注意が必要です。
民法628条
(やむを得ない事由による雇用契約の解除)
第628条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
> お教え願います。
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> 当社の契約社員についてなんですが・・・、
> 労働契約書では8月迄の契約でしたが、勤怠不良が頻発(遅刻、無断欠勤)し改善勧告にも従わなかった為契約を途中解約しました。
> この社員は以前から勤怠が悪くて困っていたので、労働契約書に「勤怠不良が頻発し改善勧告に従わない場合は契約を途中解約する」と記載し、きちんと本人に口頭でも説明し納得したうえ労働契約書に署名してもらっています。
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> 担当業務を達成しておらず、やりかけた作業がありながら無断欠勤をした為、その穴埋めをする為に投じた作業工数が発生しています。
>
> 当社としては本人には8月分については支払うべき金額がないと考えております。
> しかし労働基準法ではこのような処置は問題になってしまうのでしょうか?
> 月の給与は支払わないといけないのでしょうか?
<社労士 暁さん> ご意見に追記させていただきます。
内部監査業務担当より進言させていただきます。
原則論ですが、期間を定めた労働契約は契約期間である間は、労働者は勤務する義務があり、退職はできません。また使用者は雇用する義務があり雇い続けなければなりません。 ただし、どのような場合でも解雇または退職できないということは、雇用関係の実情にそぐわないため、民法において一定の場合の契約の解除を定めています。
民法第628条 (已むを得ない事由による解除)
民法第631条 (使用者の破産)
民法第541条 (履行遅滞による解除権)
「已ムコトヲ得サル事由」であるか否かは、社会の一般通念によりますが、即時解雇についての特別法である労基法第20条の
(1)天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続不可能となった場合
(2)労働者の責に帰すべき事由による場合 に該当するかどうか、で判断することとなります。
次に、労働者の責めに帰すべき事由による場合を検討してみましょう。
これは通常の解雇事由より重く判断され、懲戒解雇事由に該当するような重大または悪質な義務違反があった場合をいいます。
労働者の義務としては、
(1)労働の義務
(2)服務義務
(3)職場の維持義務
(4)協力義務
(5)守秘義務
などがあります。
今回の要件では、契約社員は勤怠不良が頻発(遅刻、無断欠勤)し改善勧告にも従わなかったとの報告があります。「やむを得ない事由」ではなく「責務遅滞」といえるかもしれませんね。
すなわち、この解雇は、「やむを得ない事由」には該当しませんが、「責務遅滞 」ともなれば企業としての損失負担は計りきれないかも知れません。
派遣先からは、
(1)契約違反として解雇は無効とされる
(2)損害賠償請求の対象になり得る
といった危険性を秘めてはいますが、勤務管理表の開示を求め、適正な判断を求めてください。
すべてを支払う事態だけは避けられるかもしれませんが、弁護士あるいは社労士のかたとのご相談が良いと思います。
> その労働契約書(6月~8月)は無効と考え、
→×働いた事実は消せません
>6月~7月に支払った賃金の返却を求めても良いのでは?
→ ●損害賠償と相殺はできない
最も相談が多いのは、使用者が労働者に対して持つ債権(会社の品物をこわして損害を与えた場合の損害賠償債権等)と賃金との相殺です。
相殺も一種の控除であり、賃金が労働者の生活を支える唯一の収入であって、書面協定なしに相殺することは許されないと考えられています。
使用者が労働者の業務怠慢を理由として労働者の賃金をカットすることや、労働者の不法行為(背任)を理由として、これを賃金と相殺することは、違法とされています(関西精機事件 最高裁 s31.11.2、日本勧業経済会事件 最高裁 s36.5.31)
ですから、仮に使用者が労働者に対して損害賠償請求権などがあったとしても、使用者が労働者の同意なく一方的に賃金や退職金から差し引くことはできません。
たとえ同意があったとしても、今回のケースでは、
↓
> 相手に8月に労働した賃金を支払い、その後損害賠償を請求する事が妥当な考えなのでしょうか?
→そう思います。
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