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厚生年金保険料の上限がアップ。影響するのは高収入の人だけ。


2020年4月24日号 (no. 1199)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【厚生年金保険料の上限がアップ。影響するのは高収入の人だけ。】
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厚生年金保険料はどのように決まるのか。


毎月の収入に連動して、労働保険料(労災保険料、雇用保険料)や社会保険料健康保険料、厚生年金保険料)は決まる、と思われているフシがあります。

労働保険料は実際の賃金額に連動して算出されるものですが、社会保険料は、年に1回、保険料を決定する手続き(社会保険料定時決定 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121017.html)があり、その手続きが済むと、1年間は保険料が固定される仕組みになっています。

収入が大きく増加したり減少すれば、社会保険料を変更する手続きがある(標準報酬月額随時改定 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20150515-02.html)わけですけれども、増減が一定の水準に達しない場合は、決まった保険料のまま変わりません。

仮に、今月まるまる1ヶ月休んだとしても、社会保険料は前月分と変わらないのです。

月ごとの収入に連動するのではなく、1年に1回、決めた保険料が毎月発生するというのが厚生年金保険料の仕組みです。

厚生年金保険料は、標準報酬月額保険料率をかけて、保険料が算出されます。

給与明細に記載されているのは収入で、社会保険料を決める際に使うのは「報酬月額」や「標準報酬月額」というものです。

収入は分かるけれども、報酬月額や標準報酬月額は難しい言葉ですから、よく分からない方もいらっしゃるでしょう。

「月収に保険料率を掛けて厚生年金保険料を計算しているのでは?」と思うところですが、それは少しだけ違うのです。




厚生年金保険料を決める報酬月額、標準報酬月額とは何か。


報酬月額というのは、言い換えれば月収です。労働保険では賃金と表現しているものですが、社会保険では報酬という言葉に変わるのです。

ですから、報酬月額という言葉に遭遇したら、「あぁ、月収のことだな」と考えていただいて構いません。

次に、標準報酬月額とは、報酬月額に対応する収入基準のようなものです。

厚生年金保険料の一覧表(https://www.buyers24.net/pdf/kousei201709.pdf)を見てみると、月収400,000円、つまり報酬月額400,000円の人の標準報酬月額は、410,000円になっています(表に当てはめると分かります)。

つまり、月収400,000円の人の厚生年金保険料は、400,000円 × 18.3%ではなく、410,000円 × 18.3% で計算するのです。

ちなみに、報酬月額が395,000円から425,000円の人も、標準報酬月額は410,000円になります。

一定の範囲内に報酬月額が収まっていると、その範囲内の人は同じ標準報酬月額になり、厚生年金保険料も同じになるというわけです。

一覧表に自分の収入(報酬月額)を当てはめると、標準報酬月額が分かり、厚生年金保険料も分かるのです。





厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれている。


厚生年金保険料を支払うと、国民年金保険料も支払ったものと扱われます。

国民年金保険料は、2020年度は毎月16,540円。これが厚生年金保険料に含まれていると考えてください。

給与明細には、厚生年金保険料と書かれているため、自分自身は厚生年金保険料を払っているのであって、国民年金保険料は払っていないのではないか、と思ってしまいがちですけれども、厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれています

つまり、厚生年金保険料払うと、国民年金保険料も払っていると扱われるわけです。

支払う保険料は1種類だけですけれども、加入できている年金制度は2つになっているというわけです。

仮に、毎月の厚生年金保険料が40,000円だとすれば、その内訳は、厚生年金保険料が23,460円、国民年金保険料が16,540円となります。




■高所得者の厚生年金保険料が5,490円増える。


今回変わるのは、標準報酬月額の等級が1つ追加されるという点。

厚生年金保険料は、標準報酬月額の等級表に、個々の収入を当てはめて求めることができます。

https://www.buyers24.net/pdf/kousei201709.pdf
2020年4月時点の厚生年金保険料の標準報酬月額等級表

一番低い等級が1等級で、最も高い等級が31等級です。

この最も高い等級が、31から32に増えるというのが今回の変更点です。

つまり、厚生年金保険料の上限額が上がるという意味です。

今までの基準だと、毎月の収入、つまりは報酬月額が605,000円以上の人が、等級表の31等級に該当し、この水準が上限でした。

31等級の標準報酬月額は620,000円で、厚生年金保険料は113,460円(これが上限額)。これを会社と従業員で半分ずつ負担します。

収入が605,000円以上の人は、同じ保険料ですから、月収65万円の人も、月収80万円の人も、月収160万円の人も、厚生年金保険料は同じ金額になります。

新たに32等級が追加されると、標準報酬月額の上限も650,000円になり、この650,000円に18.3%を掛けると、118,950円。2020年9月分からは、この水準が厚生年金保険料の上限になります。

変更前に比べて、上限額が5,490円増えます。

保険料の上限に達するほどの収入ならば、月に5,490円増えたところで誤差程度です。

この制度変更によって影響を受けるのは、月収60万円代前半の方です。

一方で、上限に達していない方は、以前と変わりありません。





社会保険料には上限があり、青天井で上がらない。


社会保険料は、収入が一定水準を超えると、保険料は一定になります。

厚生年金保険料も、収入が月に60万円台半ばを超える方は、同じ水準になります。月収70万円でも、月収260万円でも、月収510万円でも、厚生年金保険料は同じです。

一方、所得税法人税消費税住民税は違います。

税金には、税率だけ設定されていて、課税される金額の上限額については定めがありません。つまり、パーセンテージで計算されるだけ税金が発生するわけです。

とある税金の税率が18.3%だとして、課税される金額が500万円だとすると、税金の金額は915,000円になります。

一方、厚生年金保険料として計算した場合、単純に915,000円にならず、保険料の上限額118,950円で止まります。

社会保険では、1人の人間が受け取れる便益に上限がある(所得が多いからといって、病気や怪我が多いわけではない)ので、保険料にも上限が設けられているのがその理由です。

税金と考えて計算すると、915,000円になるところが、社会保険料と考えて計算すると、118,950円になるわけです。

ある程度の収入までは社会保険料は連動しますけれども、標準報酬月額の上限水準を超えて収入が増えていくと、社会保険料は上限額で止まります。厚生年金保険料に限らず、健康保険料や介護保険料も同じ。

国民年金保険料に至っては所得水準に関わらず一定です。

つまり、収入に占める社会保険料の割合は、高所得になるほど減っていきます。

月収500万円で、厚生年金保険料が118,950円だと、収入に占める厚生年金保険料の割合は0.02%になります。

表面上の保険料率は18.3%ですけれども、実質的な保険料率は0.02%に変わるのです。

高所得の人が社会保険料の対策にはさほど熱心ではないのは、税金のように上限額が設定されていないものよりも負担が少ないからです。

社会保険料が最も負担に感じる所得水準は、この上限額よりも低い水準、つまり60万円代前半よりも月収が低い場合は、社会保険料が負担に感じるのです。

  
 


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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
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『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20200424_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20200424_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20200424_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20200424_5



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