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改正雇用保険法及び改正雇用対策法の解説

平成19年9月15日 第47号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1.平成19年度改正雇用保険法について
2.平成19年度改正雇用対策法について

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ブログもよろしくお願い致します。
人事のブレーン社会保険労務士日記」です。
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/
是非見てみて下さい!

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1.平成19年度改正雇用保険法について

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1.はじめに

平成19年10月1日より改正雇用保険法が施行される。
内容について大別すると以下の4点である。
1)一般被保険者及び高年齢継続被保険者における資格区分の一本化と受給資
  格要件の一本化
2)育児休業給付関係の給付増額と基本手当てとの調整の新設
3)教育訓練給付の見直し
4)特例一時金の給付日数の削減

基本的には3)と4)は減額改正であり、1)についてはフルタイム労働者
短時間労働者の取扱の均等化と短期で失業を繰り返す労働者への措置といった
ところであり、2)については、育児をしながら働きたいと本気で考えている
労働者に対して支援を厚くし、給付金だけ受給して退職してしまう労働者に対
する抑止効果の新設といったところである。

詳細は以下でのべる。

2.一般被保険者及び高年齢継続被保険者における資格区分の一本化と受給資
  格要件の一本化

(1)被保険者資格区分の一本化
 
雇用保険法では被保険者資格として「一般被保険者」「高年齢継続被保険者
短期雇用特例被保険者」「日雇労働被保険者」の4つがある。
そのうち「一般被保険者」と「高年齢継続被保険者」については「短時間被保
険者」と「短時間被保険者以外の被保険者」に区分されていた。

しかし今回の改正で、この「短時間被保険者」と「短時間被保険者以外の被保
険者」の区分が廃止され、「一般被保険者」と「高年齢継続被保険者」内の区
分はなくなった。

週の所定労働時間が20時間以上30時間以内の被保険者を短時間被保険者
していたが、実務上は30時間のボーダーラインの被保険者も多く、区分変更
を頻繁に行う被保険者も多数存在していた。

区分はあるが、受給できる基本手当の日数は区分に関係なく一律であり、次で
述べる受給資格要件の一本化がなされれば実務上実態にあった運用が柔軟に出
来、この改正については非常に良いものであると考える。

(2)受給資格要件の緩和

受給資格要件の緩和は3つあり、「被保険者期間の一本化」「賃金支払い基礎
日数の一本化」「特定受給資格者の特例措置」である。

一般被保険者は「離職日前1年間に賃金支払いの基礎となった日数が14日以
上ある月が通算して6ヶ月以上ある」ことが要件であった。
短時間被保険者については賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月
を「2分の1ヶ月」として数える関係で、「離職日前2年間に賃金支払いの基
礎となった日数が11日以上ある月が通算して12ヶ月以上ある」ことが要件
であった。

この受給要件資格を一本化し、「賃金支払いの基礎となった日数が11日以上
ある月を1ヶ月」とし、「離職日前2年間に賃金支払いの基礎となった日数が
11日以上ある月が通算して12ヶ月以上ある」ことに統一をした。

(3)受給資格要件変更の注意点

この受給資格要件変更の施行日は平成19年10月1日であり、当該日以降の
離職から適用される。

重要なことは、平成19年9月30日の離職であれば旧法通り短時間被保険者
以外の被保険者は6ヶ月の被保険者で受給できる。
一方同年10月1日に離職したものは改正法の適用になり12ヶ月の被保険者
期間がなければ基本手当は受給できないこととなる。

経過措置はなく、1日の違いで基本手当の受給がなされないことになる為、労
使間の紛争に発展する可能性がある。

理由としては特定受給資格者受給資格要件の緩和にある。

実務上、この点は非常に重要であるので注意をされたい。

(4)特定受給資格者の範囲の拡大

特定受給者については従前は、「倒産」や「解雇」等の理由により離職を余儀
なくされたものとされていたが、今回の雇用保険法の改正で「被保険者期間
6ヶ月以上12月未満であって以下の正当な理由のある自己都合により離職し
た者」という範囲が付け加えられた。

特定受給者の範囲についてはこちら(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/hanni.html

(5)特定受給資格者についての受給要件資格の緩和措置

特定受給資格者の範囲の拡大と合わせ、受給資格要件の緩和措置も行われた。
これは、「離職日前1年間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある
月が6ヶ月以上ある」と読み替えられ、6ヶ月の被保険者期間で受給できると
いう制度である。

特定受給資格者については、旧法では基本手当の給付日数の増額がなされたが、
今回の改正で受給資格要件の緩和が付け加えられた。

当然1年以上勤務していれば問題はないが、6ヶ月以上12月未満で退職をさ
れる被保険者離職理由で異議申し立てをしてくることが想定される。

退職した被保険者が特定受給資格者になったかどうか事業主は把握できず、職
業安定所の判断に異議を申し立てが行いにくいという法の不整備がある。

事業主の発行した離職証明書と違う理由で被保険者であった者が基本手当を受
給される場合には、受給資格の決定通知書が事業主に届いて然るべきだと考え
る。
今回の改正でもこの点の修正はなされない。

3.育児休業給付の改正

(1)育児休業者職場復帰給付金の増額

 現状10%であった給付率を20%に引き上げることとなった。
対象者は、平成19年3月31日以降に職場復帰した被保険者である。
職場復帰後継続して6ヶ月勤務した場合につき、育児休業基本給付金の対象と
なった期間に対応した日数に育児休業開始時賃金日額を乗じて、給付率を乗じ
るのであるが、この6ヶ月経過後が改正法施行日である平成19年10月1日
であることからこの様なこととなった。

(2)基本手当の給付基礎日数算定基礎期間との調整

育児休業基本給付金の受給と関係なく、当該被保険者が離職した場合には基本
手当を受給できたが、今回の改正法で、育児休業基本給付金を受給した期間を
離職時の基本手当の給付基礎日数算定基礎期間との調整がなされることとな
った。

具体的に例示すると、育児休業基本給付金を10ヶ月受給したとすると、「被
保険者期間-10ヶ月」された期間を基に基本手当の給付基礎日数を算出する
こととなる。

一般被保険者の場合10年未満で90日。10年以上で120日となっている
が、ちょうど10年で退職した場合、「10年-10ヶ月」と計算され「9年
2ヶ月」の算定基礎期間となり90日しかもらえないということとなる。

この点は実務上注意を要するところである。

4.教育訓練給付の改正

今迄支給要件期間に応じて支給率と上限を定めていた教育訓練給付を支給要件
期間を廃止し、一律で20%、上限10万円とした。

対象は、平成19年10月1日以降に受講を開始したものが対象となる。

5.短期雇用特例被保険者についての改正

(1)短期特例被保険者の受給要件の変更

短期雇用特例被保険者の受給要件については、「離職日より1年以内に6ヶ月」
という要件は変わらないが、賃金支払い日数が「14日以上」を「11日以上」
と変更された。

(2)給付日数の改正

短期雇用特例被保険者が離職日一年間に被保険者期間が6ヶ月以上あるものに
ついて、基本手当の支給は、従前では50日分であったが30日分とされた。
しかし、当面の間は40日分とする緩和措置がとられたが、この緩和措置がい
つまで続くかは明らかにされていない。

この短期雇用特例被保険者は出稼労働者等が該当するものである。

6.まとめ

被保険者基本手当の受給に大きな影響を及ぼすこととなる法改正が行われた
が、被保険者に対する告知は充分ではない。
よって、被保険者が知らない事によるトラブルの増加が容易に推測される。
皆さんの企業内では充分な告知を行って頂きたく今回のテーマとした。


***********************************

2. 平成19年度改正雇用対策法について

***********************************

1.はじめに

雇用対策法については、中高年の雇用対策を中心に平成13年の改正がおこな
われた。
今回の改正では、フリーターやニートといった若年層や外国人労働者の対策が
盛り込まれた。

実務上重要となってくるのは、募集採用時の年齢要件の厳格化と外国人労働者
の届出の2点である。

この2点を本稿では解説したい。

2.募集採用に係る年齢制限の禁止の義務化と厳格化

(1)はじめに

今回の改正で、体力や能力については労働者個々人の差によるところが大きく、
年齢制限により特定の年齢以外の就業機会が奪われるということは望ましくな
く、面接の際に事業主が判断すべきとの観点により改正された。

基本的には年齢による募集採用の制限は出来ず、例外的に認められるケースが
あると考えることが無難である。

(2)具体的内容の検討

今迄努力義務であった募集採用時の年齢制限について今回の改正で義務化され
た。
それに伴い、要件も厳格化され実務上年齢制限を設けることに苦労をすること
となるであろう。

要件とは以下の通りである。
改正雇用対策法の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する
省令において、年齢制限をする場合の条件が示された。

以下の場合には年齢制限を設けることは妥当とされたものである。
但し、注意すべき点はあくまで年齢制限を設ける場合であり、年齢制限を設け
ない場合には、以下に該当しない求人でも問題はないということである。

1 事業主が定年を定めている場合に定年年齢を募集採用年齢の上限とする場
  合

これは、定年60歳の企業で募集採用の上限を60歳とすることであり、これ
は問題ないとされた。
注意点は、定年と年齢制限が同一の場合に限るということである。
例えば、定年が60歳で年齢制限を55歳とするようなことは出来ない。

2 労働基準法等の法令により就業することが出来る年齢の制限がある場合
 
満18歳に満たない場合の坑内労働の禁止といにより、18歳以上を募集の
対象とすること等である。
法令上の要請であるから解説は省略する。

3 その他合理的な年齢制限とされるもの

イ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目
  的として、青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集採用を行うとき

 これは、募集採用について長期的な人材育成を行う為に若年層に限り採用
対象として募集を行う場合である。
しかし、条件として「雇用期間の定めがないもの」「求人の条件が職業に従事
した経験が採用の条件になっていないこと」「新規学卒者若しくは新規学卒者
と同等の処遇で募集採用する場合に限る。」ということである。

職業に従事した経験が採用の条件になっていないこととは、特定の職種ではな
く、今迄に職業に従事した経験のないものを採用の条件にする場合には年齢制
限は出来ないということである。

経験者優遇は、あくまで優遇であり「採用の条件」ではないので問題ないとさ
れる。

最後の新規学卒者と同等の処遇ということは、20代後半で主任クラスを採用
し、その後長期的に育成していくといった場合には該当せず、平社員として採
用し、賃金も新規学卒者と同等にということである。

「若い有能な即戦力社員」を求める場合には、年齢制限無しで幅広い年齢層に
募集をかけなければならないということである。

また、この場合は下限の設定が出来ない。あくまで上限の設定のみである。

ロ 当該事業主が雇用する特定の年齢の範囲に属する特定の職種の労働者(以
  下「特定労働者」という)の数が相当数少なく、年齢構成を是正する為に、
  この特定労働者採用する場合。

これは条件が付いていて、「特定の年齢層」と「相当数」とは、30歳から4
9歳の範囲内で、5歳から10歳幅で区分し、その上下の年齢層の2分の1以
下である場合に可能とされている。
この場合、上の層が4分の3以下で下の層が2分の1以下の場合は該当せず、
あくまで上下ともに2分の1以下の要件を満たしていなければならない。

ハ 芸術、芸能分野における表現の真実性等を確保する為に特定の年齢の範囲
  に属する労働者の募集、採用を行う場合。

ニ 60歳以上の高年齢者を積極的に採用する場合及び国の法律により特定の
  年齢層の積極的採用を要請された場合に当該年齢層の労働者の募集採用
  行う場合

3.外国人雇用状況の届出の義務化

(1)概要

平成19年10月1日から全ての事業主に対して、外国人労働者の雇い入れ、
退職に際して「氏名」「在留資格」「在留期間」「生年月日」「性別」「国籍
」「資格外活動の有無」を職業安定所に届け出ることとなった。

あくまで事業主が確認をし、職業安定所に届け出ることとなる。
外国人登録証明書や旅券で確認し、資格外活動をする場合には「資格外活動許
可書」や「就労資格証明書」で確認しなければならない。

しかし、特別永住者及び在留資格が「外交」「公用」の場合には届出する必要
はない。

(2)届出方法

雇用保険被保険者は、資格取得届、資格喪失届の備考欄に上記項目を記載す
ることで届け出たこととなる。
届出期限は雇用保険の手続きと同様である。

雇用保険被保険者に該当しないものは、採用日の翌月末日までに別途届出様
式(第3号様式)により届けることとなる。

平成19年10月1日現在に於いて既に雇用している外国人労働者については
平成20年10月1日までに届け出る必要がある。

(3)まとめ

この届出は法務大臣もみることが出来るとなっている。
入国管理局がこの情報をどの様に取り扱うか分からないが、事業主としてはし
っかりと職業安定所に届け出なければならない。
面倒だからと届出を怠って、不法就労幇助の罪にも問われかねない。
雇用対策法上の罰則は、罰金30万円だが、入管法違反に問われるケースも上
記理由から考えられるので慎重に行うべきである。

この様な理由から採用時には住民票を確認することをお勧めしたい。

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発行者 山本経営労務事務所 (URL http://www.yamamoto-roumu.co.jp/
編集責任者 特定社会保険労務士 山本 法史
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