相談の広場
労使協定について、結ばないといけないもの、その中で労基署に届けなければいけないもの、さらに、1回届ければ法律改正や変更するまで届けなくてよいもの、年1回(毎年)など届けなければいけないものを教えて下さい。
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譲二様
労使協定の種類と法関係条項について整理させていただきます。
■労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合の労使協定 労働基準法第18条(○)
■賃金から法定控除以外にものを控除する場合の労使協定 労働基準法第24条(×)
■1ヶ月単位、1週間単位の変形労働時間制に関する労使協定 労働基準法第32条の2(○)
(就業規則に定めた場合には届出は不要)
■フレックスタイム制の労使協定 労働基準法第32条の3 (×)
■1年単位の変形労働時間制の労使協定 労働基準法第32条の4、第32条4の2、施行規則第12条の2、第12条の4、第12条の6、第65条、第66条(○)
■1週間単位の非定型的変形労働時間制の労使協定 労働基準法第32条の5(○)
■休憩の一斉付与の例外に関する労使協定 労働基準法第34条(×)
■時間外・休日労働に関する労使協定 労働基準法第36条、第133条、施行規則第69条(○)
■事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定 労働基準法第38条の2(○)
(事業場外労働が法定労働時間内の場合は不要)
■専門業務型裁量労働制に関する労使協定 労働基準法第38条の3、4(○)
■年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定 労働基準法第39条、第135条(×)
■年次有給休暇の賃金を標準報酬日額で支払う場合の労使協定 労働基準法第39条第5項(×)
■育児休業及び介護休業が出来ない者の範囲に関する労使協定 [育児介護休業法第6条、第12条](×)
■看護休暇適用除外者に関する労使協定 [育児介護休業法第16条の3](×)
■継続雇用制度に関する労使協定 [高年齢者雇用安定法第9条](×)
ご存知でしたら失礼いたします。まず、労使協定とは労働者の意思を反映させた上で、労働基準法で禁止されている上記事項を例外的に免れさせる(免罰的効力)ことができるようにするために締結するものです。
現実的に1日8時間、週40時間で残業なしで帰ることなど絶対に不可能だと思います。しかしながら労働基準法ではこれを破ると違反となります。したがって労使協定を締結し締結した内容の範囲内で残業を可能にするわけです。
しかし、労使協定内に「月100時間まで」等、過重労働を認めるような書き方にも問題になります。もしその月100時間までで労働者が過重な長時間勤務により心身や体調を壊した場合は、当然会社の「安全配慮義務違反」が問われる可能性があることもご注意ください。
各条項分の(○)や(×)については、労基署に届け出が必要であるかどうかを意味しています。労使協定だけは締結する必要はありますが、労基署に提出する必要はありません。
労使協定については必ずその期間が明記されます。協定期間の初日迄に必ず所轄の労基署に届け出なくてはなりません。以前、遅延して提出した際に「協定期間初日から提出日までの期間は協定の効力を認められませんよ」と注意を受けましたことがありました。
内容によっては年1回のものもあれば、1週間、1カ月単位のフレックスタイムの導入についてはそれぞえ当該期間のたびに届け出をする必要があります。
また、ご存じのとおり法改正がされた場合は再度提出し直さなければならないか、次回の更新時に新たな法律に基づいて出し直しなさいと、労基署から通達が来る可能性もありますので詳しくは所轄の労基署にお尋ねされた方がよろしいかと思います。
なお、届け出の自動更新は聞いたことがありません。
<労使協定締結の当事者>
労使協定は、会社と労働者側の代表と書面で締結することになります。
労使協定の労働者側の代表(締結当事者)は、その事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合には、その労働組合であり、過半数で組織する労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者が締結当事者(代表)となります。
この労働者の代表者は
1.管理監督者でないこと
2.労働者の過半数を代表する者を選任するについては労働基準法において「全労働者の過半数によって民主的な手続きで選任されなけらばならない」とされています。
この労働者の代表者は
①管理監督者でないこと及び投票などで選出されることが条件となります。
また、過半数労働組合がない事業場における「過半数を代表する者」は、次のア及びイのいずれにも該当する者でなければいけません。
ア 労働基準法第41条第2号の監督または管理の地位にある者でないこと。
(正社員でなく嘱託・パートのみでも、過半数代表者になることができます。)
イ 労働基準法に規定する労使協定の締結などを行う者を選出することを明確にして実施される投票、挙手などの方法による手続により選出された者であること。(当然民主的な手法により、全ての労働者に声をかける事や、興味を持たない方については「委任状」をとっておくことが必要であると考えます」
3.過半数代表者の不利益取扱いを禁止
労働者の過半数を代表する者であること及びなろうとしたこと、労働者の過半数を代表する者として正当な行為をしたことなどを理由として労働条件(解雇、賃金の減額、降格等)について不利益な取扱いをすることは禁止されています。(施行規則第6条の2)
労働者の過半数を代表する者としての正当な行為には、法律に基づく労使協定の締結の拒否、1年単位の変形労働時間制の労働日ごとの労働時間についての不同意なども含まれますので注意が必要です。
(これらの条件は、労働基準法で定めるすべての労使協定や就業規則作成・変更時の意見聴取等をする場合の代表者を選出する場合にも適用されます。)
以上、長文で失礼いたしました。(条項が若干間違えてましたら申し訳ありません。)
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